早春を告げる菜の花。愛知県田原市で開催中の「菜の花まつり」です。菜の花の花言葉は「明るさ」「小さな幸せ」。コロナ禍での憂さを晴らしてもらうはずだった菜の花まつりですが、緊急事態宣言の期間と重なり苦しい状況を迎えています。

 この時期、渥美半島の先端は鮮やかな黄色で染まります。

 田原市で現在開催中の菜の花まつり。街の至る所を菜の花が彩り、例年期間中にはおよそ17万人が訪れる人気のイベントです。しかし今年は…。

渥美半島観光ビューローの担当者:
「緊急事態宣言の延長によってお店も出せないし、お客さんをおもてなしできることが非常に少ないので、つらいところですね」

 菜の花まつりは、1月9日から3月末まで。緊急事態宣言が発令された直後に始まったうえ、宣言の延長によりイベント期間のほとんどが緊急事態宣言の期間と重なりました。

担当者:
「本来なら2月からここに土日は食事ができるスペースができるんですが、今は緊急事態宣言が出たためにですね、それが収束するまでは中止させていただいて」

 当初の宣言期間だった2月7日以降を見越して予定していたキッチンカーなどの出店も、宣言の延長により急きょ白紙に。さらに「密」を避けられないと、人気の菜の花摘みなどもすべて中止にしました。

担当者:
「せっかくこのきれいなお花を見ていただきたくても、なかなか外出ができないというのは、非常に寂しいものがありますね」

 この影響は、周辺の観光業にも…。

(リポート)
「伊良湖ビューホテルの入口に来ています。こちらの看板には、大きく臨時休館と書かれています」

 伊良湖岬を一望できるリゾートホテルは、2月いっぱい休業することに。2月7日の宣言解除を信じて営業を続けたホテルの先行きにも、暗い影を落としています。

休暇村伊良湖の小池支配人:
「宿泊台帳という感じで、今日の予約ですとお客さまが1件4名様。明日になりますと(予約が)なかったりとか...」

 この時期、多い時には1日に100人ほどが宿泊することもあるということですが、現在入っている予約数は例年の4分の1ほど。宣言の延長による「菜の花まつり」への影響で、今後、宿泊のキャンセルが出ることも考えられると言います。

小池支配人:
「私を含めスタッフも、せっかくこのいい時期にお客さまに来ていただきたいということもあったものですから、非常に寂しい思いではあります」

 状況は変わっても、いつものように咲き誇る菜の花。まつりの関係者は宣言解除後、思いきり楽しんでほしいと話しています。