東レの名古屋事業場に勤務していた男性が肺がんを患って死亡したのは、アスベストの対策がとられていなかったことが原因として、妻らが損害賠償を求める訴えを起こしました。

 訴状によりますと男性は、1956年に東レに入社し港区にある名古屋事業場で、アスベストを含む保温材を配管に取り付けるなどの作業に25年以上にわたり携わっていました。

 男性は東レを退職後の2007年、69歳のときにアスベストを長年吸い込んだことで肺の組織が固くなり、呼吸が困難になるなどの「じん肺」と診断されました。

 その後、じん肺のため「肺がん」を患い、2018年に80歳で死亡しました。

 妻と2人の娘は24日、工場内で換気の設備を整えるなどアスベストを除去する対策が取られていなかったことが、「じん肺」を患って肺がんで死亡した原因として、東レに対しおよそ4500万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしました。

 東レは「訴状がまだこちらに届いていないので、コメントを出すことができない」としています。