各自治体で使われている公用車は、運転手付きの高級車に1人ずつ乗っている印象がありますが、愛知県の自治体でこの公用車に関してある改革が行われました。

 今、全国的な議論になっている「自治体の高級公用車、ありかなしか」。兵庫や山口では、知事などの公用車に高級車「センチュリー」が購入され、他の自治体首長から市民感覚とのズレを指摘する声も上がっています。

 公職者としての品格か、はたまた無駄遣いなのか。全国の公用車に注目が集まる中、愛知県扶桑町で行われた改革が…。

扶桑町の杉浦議長:
「いい値段で引き取っていただけたなと思ってますけど。財源の一環になればありがたい」

 町の財政のために議長の車を売却したのです。扶桑町では、これまでは議長の公用車におよそ425万円で購入したトヨタのクラウンを使ってきましたが…。

杉浦議長:
「庶民感覚ではないですけども、実勢に沿った方向性も考えていかなければいけない時代かなと思います」

 維持費がかさむことなどから売却を決め、9月、官公庁のネットオークションに出品。10月13日におよそ203万円で落札されたといいます。

杉浦議長:
「別に、町長車を貸してもらえばいいかなと僕は思っていました」

 今後は、町長の公用車を議長と町長の2人で使用することに。議長と車を「相乗り」することになった鯖瀬武(さばせ・たけし)町長は…。

扶桑町の鯖瀬町長:
「私のこの車と兼用ということで、一緒に乗っていきます。ちょっと緊張しますけど、大丈夫です」

 一方、町の人たちは…。

扶桑町の女性:
「200万円でした!?町政の方に入るんですよね、無駄なことも省けて」

扶桑町の男性:
「あちこちで高い公用車が問題になっているから、予算に戻ってきたらいいんじゃないですかね」

別の女性:
「扶桑町はあまりお金ないってよく聞きますけど、(売れて)いいと思います」

 議長の公用車を売って得たおよそ200万円は、町の一般財源として使われるということです。