55年ぶりの保守分裂の構図が固まった、来年1月の岐阜県知事選挙。

 同じ自民党内で割れる背景には、古田知事と岐阜県政で強い影響力を持つベテラン県議との仲違いがあります。

 岐阜には猫田県議という議員歴およそ半世紀、自民党岐阜県連の会長代行を務める大物がいますが、古田知事との折り合いが悪いとされています。

 関係者によりますと、県議側が不満に思っているのは古田知事の政策や実績ではなく、知事からのコミュニケーション不足だといいます。

 例えば、県議が知事に地元の実情を伝えて対策を要望すると、知事は実現しそうにないものは、その場で「できないよ」と返答するとのことで、それが県議には「知事は聞く耳を持っていない」と映っているようです。

 今回の知事選でも、猫田県議は古田知事から5選出馬への事前の相談がなかったことに相当不満を募らせていました。

 一方で、野田聖子衆院議員をはじめ、国会議員は大半が古田知事支持。今回、古田知事が出馬を決めたのは、新型コロナ対策を途中で投げ出すわけにはいかないという思いがあります。

 古田知事のコミュニケーション不足については、国会議員の中にも不満がないわけではありませんが、それよりもまずは実績などを勘案し、目の前の課題に対処する適任者として推す考えです。

 とはいえ、保守王国らしくない分裂に、調整力の衰えを危惧する声も聞かれました。