かつては週に最大486便の飛行機が離発着していた愛知県の中部国際空港。現在、国際線は週わずか5便。国内線も大きく減っています。

 新型コロナで苦境に立たされた航空業界。少しでも何とかしたいとの思いから、JALがあるツアーを企画しました。

 東海地方の空の玄関口、中部国際空港。国内線の出発ロビーでは搭乗手続きをする乗客の姿がありました。

 中部空港を飛び立って、上空から富士山や桜島を眺め、西日本を一周して再び中部空港に戻ってくる、その名も「空たび・トワイライトフライト」が開催されたのです。

 JALの国内線利用客は、前の年に比べ6割ほどに留まっていて、国際線に至っては再開の見込みは立っていません。

日本航空の担当者:
「国内線は、GoToキャンペーンの影響もありまして徐々に回復している状況ですが、やっぱり一喜一憂できない状況です」

 さらに感染拡大を受け、GoToキャンペーンの見直しが進むなど、航空業界は視界不良の状態が続いています。飛行機で旅気分を味わうツアーはそんな中で企画されました。

 離陸した飛行機がまず向かったのは、富士山上空。

機内アナウンス:
「ただいま左側の窓から、富士山がご覧いただけます。通常のフライトでは、このような低い高度で飛行しないのが一般的です」

 窓の外に、雄大な富士山の姿を見ることが出来ました。

ツアー客:
「いつもより近かったので、眺めがよく見えました」

 空の旅気分をさらに盛り上げたのが機内食。メニューは国際線のバンコク便で提供されていたカレーで、気分は海外旅行です。

機内アナウンス:
「まもなく、桜島が右側の窓からご覧いただけます」

 機内からは噴煙の上がる桜島が一望。さらに極めつけは「夕日」。今回のトワイライトフライト、目的地はたどり着けないこの夕日だったのかもしれません。

機内アナウンス:
「現在の到着予定時刻は、17時35分を予定いたしております」

 およそ3時間半の空の旅を終えて、出発地の中部空港に戻ってきました。

ツアー客:
「きれいな景色でよかった」

別のツアー客:
「海外にいったような気分でした」

 このツアーは12月19日にも行われる予定で、ツアー申込の締め切りは11月23日の23時59分までだということです。

 空港利用者がビジネスも含めて激減している中、関連する企業が手を取り合ってコロナの逆風に立ち向かっていました。