新型コロナ第3波の到来で、医療現場は再び厳しい状況に直面していますが、24日愛知県豊田市の病院で働く医療従事者に感謝の気持ちを込めた手作り弁当が贈られました。

 たっぷり入った野菜は、障害のある人たちが丹精込めて育てたものでした。

 24日の豊田地域医療センター。野菜がたっぷり入ったお弁当、新型コロナの第一線で激務に追われる医師や看護師を応援する手作りです。少しでも家族との時間を作ってほしいと家族の人数分配られました。

 使われている野菜は、知的障害者の就労支援をする施設の利用者らが育てたもの。この日は車で5分ほどのところに借りた畑へ。

 男性が収穫しているのは小松菜。はさみで器用に根っこを切っていますが、最初は大変だったそうです。

今枝さん:
「(始めたころは)失敗が多くて、うねを踏んじゃったり、はさみが使えなかったりとか。色んな壁を乗り越えていかないと駄目なんですけど」

 この野菜作り、人手不足の農家と、仕事を見つけるのが大変な障害のある人たちのマッチングとして5年前に始めました。

 現在は20代から60代の17人が野菜作りをしていて、小松菜に、赤カブ、大根、ブロッコリーと1年を通じて20種類ほどの野菜を栽培しています。今回は、弁当のために無償でそれらを提供しました。

今枝さん:
「障害がある方が育てた野菜を使ったお弁当を、忙しい医療従事者さんのご家庭もそのお弁当を食べてもらって、ほっこりしてもらいたい。感謝の気持ちを届けられたらなという思いで」

 弁当作りは市内の居酒屋が手を上げました。ぶり大根の大根や、弁当に添えられているブロッコリーなどほとんどが、その畑でとれた野菜です。

 弁当を開けると、医療従事者もコロナの激務からひと時解放され、穏やかな表情に…。

近藤医師:
「純粋にうれしいなと思います。コロナで疲弊してるとこがあると思うので、ご自身で作られた野菜のお弁当を食べられるのはうれしい。ホッとするような感じがします。持って帰って妻と一緒にいただこうかなと思います」

 感謝の気持ちと優しさが詰まった手作り弁当が、コロナと戦う人たちに安らぎの時間をもたらしました。