新型コロナウイルスの感染防止対策の一つに、部屋の換気があげられます。

 窓を開けていても、外が寒くなければ苦にはなりませんが、間もなく迎える真冬となるとどうでしょうか。東海地方の中でも一足早く冬を迎える、岐阜県の山間部にある小学校を取材しました。

 岐阜県郡上市、ひるがの高原にある高鷲北小学校。

 午前7時半、厚手の上着を着た子供たちが朝日の中を登校してきました。付近のこの日の最低気温は4度。名古屋などの平野部と比べると、およそ4度ほど低い気温です。

 子どもたちは校舎の入り口で検温と手の消毒を済ませてから教室へ向かいます。

 1時間目の授業が始まりました。コロナの感染対策で、授業中も窓は開けっ放しです。日差しがあるとは言え、子供たちは寒くないんでしょうか。

男の子:
「寒いです」

女の子:
「風とか吹いたら窓から風が入ってきて、寒いし紙も飛んでいく」

 教室の温度計をみると14度。中には半袖の強者もいますが、教室の中でも上着を着たままの子が目立ちます。

 小学校がある郡上市のひるがの高原は、標高およそ870メートル。真冬になると子どもたちの背丈を越えて雪が積もり、気温は氷点下10度にもなります。そのころの寒さについて子どもたちに聞くと…。

女の子:
「寒い。去年もストーブがついてなかった時に、手がかじかんで書けなかった」

別の女の子:
「授業に集中できない。寒い日に体育があって、帰ってきてから何か書こうとしても手が動かない」

 そんな寒い冬も、新型コロナ対策のため、一日中窓を開けて換気するということです。

養護教諭の古田先生:
「寒いと思いますが、子供たちも震えながら授業するようにはならないように、ちょっとでも暖かい環境を作っていけたらなと思います」

 ところ変わって、同じ郡上市にあるスキー場「ウイングヒルズ白鳥リゾート」。「密」とは縁遠いウィンタースポーツですが、施設内のレストランは、コロナ禍の飲食店で当たり前となったパーテーションはもちろん設置されています。

副支配人:
「こちらで窓を開けさせて頂いて、換気をしている状態となっております」

 常に窓を開け、さらに扇風機を使って空気を循環させていますが、雪国ならではの問題が…。

副支配人:
「(雪の高さが)自分の腰くらいになるので、おそらく1mくらいは積もってきます。窓を開けるために、おそらく除雪をしっかりして…」

 窓を開けるために、いつもの冬なら必要のない場所も雪かきが必要になります。

 さらに今年からレストランでの密を避けるため、屋外や車の中でも食事ができるよう、提供するすべてのメニューでテイクアウトが可能になりました。

副支配人:
「マイナス10度とか普通にいってしまいますので、いろいろ考えて対応していきたいと思っております」

 小学校にスキー場、今年は試行錯誤の冬となりそうです。