三重県南部・御浜町の名物「ミカン」。収穫時期を迎えている中、900キロのミカンが畑から消えるという事件がありました。現場に残されたあるものから見えてきた犯人の人物像とは…。

 三重県御浜町のミカン農家・山門喜男さん(64)。11月23日、収穫のため向かった畑には、目を疑う光景が広がっていました。

山門さん:
「この辺ずーっと軒並み、ミカン。この辺りのミカンをほとんどとられた状態です」

 手塩にかけて育てたミカンが無くなっていたのです。その量は何と900キロ。コンテナで50杯分、数にしておよそ8000個です。

 盗まれたミカンは、1キロあたり400円と高値で市場に出回る「早生温州」で、被害総額はおよそ36万円にのぼります。

山門さん:
「コソ泥のようなのはよく聞くけど、まとめて(コンテナ)50杯といったら、初めてですね」

 一体だれが…畑に残されていたあるものを見て、山門さんは「ピンときた」といいます。

山門さん:
「二度切りしてある」

 二度切りとは、収穫する際にまずミカンを枝から切り離し、その後ヘタの部分を切る方法。ヘタのでっぱりがなくなり、出荷の際にミカンとミカンが触れ合っても傷がつかなくなるという、農家ならではの切り方です。

 畑には「二度切り」をして落としていったとみられる枝や葉が落ちていたのです。

山門さん:
「ミカン取りはある程度したような、セミプロみたいな。自分で個人的に客に売るつもりだろうな。腹立ちますね」

 山門さんは被害届を提出。警察は窃盗事件として調べるとともに、町役場が防災無線で周辺の農家にも注意を呼び掛けています。