混迷するGoToトラベル、札幌・大阪に続いて12月2日には東京発着の旅行についても見直されました。

 見直しによって大きな影響を受けたのが旅行代理店です。戻りつつあった旅行客が一転、相次ぐキャンセルに戸惑いが広がっています。

旅行代理店の担当者:
「キャンセルは一通り、だいたい皆さま作業させていただきましたので、先月に比べますと新規のご予約も少なくなっております」

 名古屋市港区にある旅行代理店。こちらではGoToトラベルの見直しを受けて、札幌や大阪への旅行が相次いでキャンセルとなり、その対応に追われました。

旅行代理店の担当者:
「12月に関しましては、感染拡大の状況を受けましてキャンセルが非常に多く出ております。北海道に行かれるお客さまの約5割弱がキャンセルをされたという状況になっています。大阪に関しましては、対象期間中の約3割弱がキャンセルをされております」

 順調に戻ってきていた客足は一転し、キャンペーンを利用した新規予約が停止となった札幌や大阪は、キャンセルの申し出が相次ぎました。

 さらに、65歳以上や基礎疾患のある人への自粛が要請された東京発着の旅行については、周辺を目的地とするツアーにも影響が出始めていると言います。

旅行代理店の担当者:
「近隣のディズニーランドですとか千葉県に行かれるお客さまにも、若干の影響が出ているということが、我々としては気になっています。やはり自主的に自粛される方が増えているのが現状です」

 この代理店では、12月中の旅行だけでおよそ1割の予約がキャンセルとなりました。自粛エリアへの予約が数を減らす一方で、逆に予約が増えているのが近場への旅行です。

旅行代理店の担当者:
「例年に比べまして、近隣へのご旅行を皆さま選択される傾向にあるかと思います。おそらく皆さま公共交通機関を使わずにマイカーで行ける範囲ですとか、そういったところを選ばれているのではないかと思います。GoToトラベルを利用される方の約4割弱が東海地方にお出かけをされる」

 電車やバスなどを使わずマイカーで目的地に行き、一泊二日で手軽に出かける人が増えていると言います。中でも人気なのが…。

旅行代理店の担当者:
「やはり伊勢志摩方面、三重県が非常に人気ですね。週末になるとなかなか宿の確保が難しい日が続いているというのが現状です。近隣の旅館さんと提携をさせていただきまして、独自商品を作成させていただいておりますので、そのあたりをお客さまにご案内をさせていただいています」

 この代理店では、地元自治体が行っているキャンペーンなどを取り入れた独自の商品を販売して、再び落ち込んだ需要を取り戻したい考えです。