間もなく愛知・岐阜にも発令される緊急事態宣言では、目標としてテレワークなどを導入して会社に出勤する社員を7割減らすことが求められますが、達成にはかなりの工夫と努力が求められます。

 そんな中でも「7割減」を実現したという名古屋の会社を取材すると、コロナ時代の働き方のヒントが見えてきました。

 朝の名古屋駅前。この日も会社へと向かう多くのサラリーマンの姿が…。

会社員の60代男性:
「自宅でテレワークのために、データ化するだけでも大変ですからね」

会社員の20代男性:
「実際のところどうなんですかね。7割となるとなかなか難しいんじゃないかな」

 緊急事態宣言では出勤者数「7割減」を目標に、テレワークや在宅勤務の推進が要請されますが、これが高いハードルになりそうです。

 そんな中、いち早く7割減を達成した会社が名古屋にありました。医療関係のHP制作をメインに行うこの会社の朝は、オンラインでの全体会議から始まります。

<オンラインでの全体会議>
「今週ですね1日1本、お客さんとの打ち合わせが入っていますので、そのスケジュールを読んだ上での業務連絡をお願いします」

 会社のメンバーは社長と取締役の妻、それに従業員12人の合わせて14人ですが、出社しているのは、社長夫婦と仕事を覚える段階の新入社員2人だけ。営業やプログラミングを担当する他の社員は、自宅でテレワーク勤務です。

 本格的に導入したのは、前回の緊急事態宣言前の去年3月。

株式会社まるの鎌形社長:
「スタッフの話を聞くと、テレワークの良さというのがすごく伝わってきたので、このまま続けた方がいいんじゃないのって」

 およそ10カ月続けてきた出勤者7割減。しかし、新型コロナ第3波の時のテレワーク実施率は、愛知で21.7%、岐阜は9.1%にとどまります。

 在宅勤務をスムーズに進めるための秘訣として社長が見せてくれたのは、社員の仕事の進み具合が一目でわかるオリジナルの進捗表。この表を全社員で共有し仕事を進めるのです。

鎌形社長:
「(テレワークでは社員が)何をやっているのかというのは全部を管理できるわけではないので。この業務をいつまでに誰がやるのかという仕事の見える化はすごくきっちりやっている」

 HPのデザインを担当する濱直子さんの自宅。ホームページのデザインについてリモート打ち合わせです。

相手の医師:
「やっぱり自分が医療従事者なので、もし自分がコロナにかかったりしたら、うつすリスクもあるので、そう考えるとお互いにとって良いのかなと思います」

 打ち合わせが終わると、あの進捗表で報告します。

 仕事も一段落の午後3時。社員の結束力を保つための、リモート会議システム使ったおやつタイム。発案したのは社長です。新型コロナの影響で変化が求められる働き方。

鎌形社長:
「僕らみたいにテレワークをやりやすい業態・業種の人がまず始めないと(いけない)。(今後も)積極的に取り入れていきたい」