保守分裂となった岐阜県知事選挙は古田肇知事が5回目の当選を果たしました。今回は新型コロナが猛威を奮う中、異例の選挙戦に。そして、分裂した岐阜の自民党はまた一つにまとまることはできるのでしょうか。

 25日午後、コロナ禍で今や定番となった作業着姿で公舎を出た古田知事。

古田岐阜県知事:
「この4年間大きな責任を担わせていただいたということで、改めて感謝と、それから気を引き締めて頑張っていこうという気持ち」

 当選の余韻冷めやらぬ中、午後4時半からの会見では、改めて最重要課題として新型コロナ対策に取り組む考えを示しました。

 県政史上最多5回目の当選を果たした古田知事。

古田知事(24日):
「この選挙戦に勝たせていただいた以上は、次は本格的にコロナとの戦いに勝ち切ると」

 今回の知事選で自民党は野田聖子衆院議員ら大半の国会議員が古田知事を支援。重鎮・猫田孝県議会議員ら県議団の半数が元官僚の江崎禎英さんを推し分裂。事実上、一騎打ちの構図に…。

 新型コロナの感染拡大で古田知事は選挙活動を自粛公務を優先してその実績をアピール。対する江崎さんはネットを活用した選挙活動を展開。コロナ禍の自粛ムードも漂う異例の選挙戦となりました。

 投開票日の24日も…。

(リポート)
「新型コロナ対策で、初めて知事選に導入された分類機です。自動で投票用紙に書かれた名前ごとに、票を自動で振り分けます」

 開票所では機械を導入するなどして感染対策。選挙事務所でも…。

(リポート)
「午後9時半の古田事務所です。本来なら、支援者が続々と集まってきて開票結果を見守るこの場所ですが、ご覧のとおり、支援者や議員の姿はありません。蜜を避けるため、最低限の事務所スタッフで運営しています」

 投票率は前回を大きく上回り、古田知事は江崎氏におよそ7万票の差をつけ当選を決めましたが、恒例のバンザイはありませんでした。

 一方、江崎氏を支援した自民党猫田県議は…。

猫田県議:
「(Q.当選を確実にした古田さんに今言いたいことは?)いや、それは別にないです。議会は議会できちっと対応していきます」

 古田知事を支援した野田衆院議員は…。

野田聖子衆院議員:
「現執行部にはそれぞれ辞表を提出していただきまして、一つにまとまる自民党というのを、多くの皆さんと構築していきたいなと思っているところです」

 保守分裂の責任を取り、県連会長を辞任するとともに、体制を刷新するため対立した猫田県議ら執行部のメンバーにも辞任を促す意向を示しました。

 割れた自民党岐阜県連…。年内に衆院選を控え執行部を入れ替えるだけで再び双方が歩み寄ることはできるのでしょう。

(リポート)
「保守分裂となった今回の選挙、県民は何を感じたのでしょうか。そして、これからの4年間を担うことになった古田知事に、何を求めるのでしょうか」

化粧品店の店主:
「こういう時代だから仕方ないにしてもやっぱり、細かな争点云々よりも、現職の古田知事の今のコロナ禍での頑張りとか、そういったものが有利に働いたのかなと。ほかに何っていう部分が見えない選挙でしたよね。現職有利だったのかなと」

飲食店の店主:
「うちは昼が結構メインなので、売り上げは全体で3割位のダウンですかね。深夜やってらっしゃる飲食さんに比べれば、まだ軽い方だと思いますけどね。とにかく迅速に対応して欲しいってことですよね。(Q,古田さんに求めたいこと・期待することは?)そうですね、4期の実績の上でピンポイントにあたる対応とか、早い、フットワークのいい対応をしてほしいなと思いますけどね」

日本タクシーの山田社長:
「緊急事態宣言が行われておりますので、夜8時以降ですね、お客様の流れというのは非常に滞っておりまして。今、夜のタクシーの需要というのは非常に減っております。経済的な支援、そういったものを積極的に行っていただけると非常に助かると思います」

煎餅店の店主:
「4期続けてこられて、その延長線上の県政になると思うので、大きくは変わらないと思うんですけど。観光がかなり打撃を受けてきてるんで。岐阜県というのは、比較的に観光で持っている部分も大きいと思いますから、大打撃を受けている観光の方にもちょっと県政を向けてもらえるればなと思います」

 新型コロナ対策はもちろんアフターコロナを見据えた岐阜のビジョンをどう描いていくのか…ベテラン知事の手腕が問われます。