国内で34万5000人、愛知県で1万8000人。これは腎不全で透析を受けている患者の数です。透析患者は新型コロナに感染すると重症化のリスクが高く、毎日恐怖を感じながら生活しています。透析治療の最前線を取材しました。

透析患者:
「常に怖いなと感じていて」

別の透析患者:
「死を考えるときもありました」

 常に怖い、死を覚悟した…そう語るのは人工透析を受けている患者です。

 名古屋市天白区の新生会第一病院。送迎のバスに乗り込むのは、人工透析を受けるため通院する患者です。この病院では1日に150人ほどが透析を受けています。

新生会第一病院の古賀内科部長:
「透析患者さんはですね、一般の方よりも免疫力が落ちている患者さんが多いということと、コロナウイルスに感染すると、非常に重篤化する患者さんが多いというのが、僕が受けている印象です」

 透析は、腎不全の患者の血液中の老廃物などを人工的にろ過する治療で、週に3回ほど通院しなければなりません。透析患者は免疫力が低く、糖尿病や高血圧、心疾患などがあることも多く、コロナに感染すると重症化するリスクがあります。

透析患者:
「常に怖いなというのは感じていて。感染したら今入院もできない状況だっていうのも聞きますし、透析患者は入院せずにはいられないですから、とにかく感染しないことは日々すごく気をつけています」

 一方、別の男性は去年12月、新型コロナに感染。現在は回復してリハビリ中です。

新型コロナから回復した透析患者:
「鼻に酸素を入れてもらって酸素吸入していたんですね。それが終わったら今度は熱が出てきて、38.4度が3日4日続いたのかな。死っていうのを考えるときもありましたね。このまま私はどうなるんだろう、ひょっとしたら死ぬんじゃないかと」

 この病院では、1月下旬、コロナに感染した透析患者専用の病床を3床作りました。入口はビニールで二重に仕切り、患者との接触を避けながら看護をするために、病室とナースセンターをリモートでつなぎました。

 もともと4人用だった大部屋を3つ空け、透析用の機器を設置。また、透析には大量の水が必要なため、配管工事もしました。

古賀内科部長:
「透析患者さんでコロナ感染症にり患した患者さんを(全病院が)受け入れられるわけではないですけども、治癒して隔離解除になった患者さんのリハビリを受け入れて頂いたり、透析患者さんを受け入れて頂けるようなベッドを一つでも作って頂けると、少し状況が改善するのではないのかなと思います」

 この病院の専用病床は1週間で満床になりました。愛知県の透析患者はおよそ1万8000人…。新型コロナの恐怖に晒されています。