新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が愛知県でも進んでいますが、8日から県内の民間の病院でも優先接種が始まりました。切り札のワクチン、東海地方でも接種や準備が急ピッチで進んでいます。

 愛知県豊明市の藤田医科大学病院。6日に届いたばかりのワクチンを、8日朝から医師や看護師らに接種し始めました。

 病院内に設けた接種会場は、以前行った訓練の経験から導線を分かりやすく変更し、新型コロナウイルスの感染力を抑える効果がある「低濃度オゾン発生装置」も設置しました。

藤田医科大学病院の湯沢院長:
「特に痛みもなくて問題なく接種できました。コロナの感染症に対する備えができるということで、大変うれしく思っています」

 医療従事者が免疫を得られれば、現場の負担を軽減させることにつながります。

看護部長:
「やっぱり自分を守ることが患者さんを守ることになるので、とても(医療従事者に)安心を与えると思います」

 藤田医科大では今日1日で115人への接種を行いますが、接種後数日は腕の痛みなどが出る可能性もあることから、接種は非番の前日に行い、手術や診察などに影響が出ないようにしているということです。

 病院では一回目の接種を対象となる医療従事者およそ2100人に対して行い、3月27日までに終える予定にしています。

 医療従事者への優先接種は三重県でも。しかし…。

鈴鹿回生病院の加藤院長:
「混乱だらけですね。入ってくるワクチンがいつかという連絡もないですし。急に決まることもありますし、なかなか予定が立てにくい」

 今日から接種を始めた鈴鹿回生病院では、5日間で721人が接種を受ける予定ですが、650人余り分のワクチンしか届いておらず、不足分が届く見込みは立っていないといいます。

 切り札となるワクチン。手探りの中で優先接種が行われています。

 医療従事者への接種が進む中、高齢者への接種に向けた準備も。箱から取り出されたのは、ワクチン接種のクーポン券です。

 岐阜県の下呂市役所では、市内の65歳以上の高齢者1万2500人にクーポンを届けるための準備がはじまりました。

 クーポン券はプリンターを使って個人の氏名などを印刷し、予診票などと一緒に封筒に入れます。下呂市では今週中に印刷を済ませ、4月上旬に発送する予定で作業を進めています。

下呂市健康医療課の担当者:
「接種の開始は、まだ具体的な日付は決まっておりませんが、迅速に打ち始められるように今日から印刷等を始めていきたい」

 ワクチン接種に向けた作業は、愛知県豊川市でも。ワクチンのコールセンターが市の保健センターに設けられ、委託を受けたスタッフ5人が対応に当たっています。

 8日はクーポンがいつ届くのかといった問い合わせに加え、集団接種や受付など具体的な実施方法についての質問も寄せられました。

豊川市保健センターの担当者:
「どんどんお問い合わせいただいて、少しでも不安を解消していただけたらなと思っています」

 豊川市のコールセンターは午前9時から午後5時までで、土日祝日も対応するということです。