名古屋入管でスリランカ人の女性が死亡した問題を巡り、遺族らが17日に入管を訪れて説明を求めました。

 17日、名古屋市港区にある名古屋出入国在留管理局を訪れたのは、今年3月に収容中に亡くなったスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族や弁護士ら。

 ウィシュマさんは去年8月、不法残留で名古屋入管に収容され、今年1月から嘔吐を繰り返すようになりましたが、入院せず支援者が要望した点滴治療も受けられないまま、今年3月に死亡しました。

 現在、入管が調査を進めています。

 16日、名古屋市守山区の斎場で営まれたウィシュマさんの葬儀。遺族をはじめ、日本の支援者らおよそ80人が最後の別れを告げました。

 17日、名古屋入管で局長らと面会した遺族らは、ウィシュマさんが死亡した経緯について説明を求めました。

名古屋出入国在留管理局の担当者:
「私どもの方では、事実関係についても対応方針についてもどういうことであったのかと、まだ皆さまにお示しする材料がないという状態でございます。全然情報がないというわけではないですけれども、正直なところ、まだこれが正しいと確定もしていないし、不正確な段階で私どもの方からご説明するのは差し控えたい」

 弁護士らによりますと、入管側は具体的な説明をせず、死亡前の状況が録画された監視カメラの映像の開示も、保安上の理由から拒否したということです。

妹のワユミ・サンダマリさん:
「収容所の中に入ったらすごく悲しかった。すごく小さい場所で収容されて、ここで私のお姉さんが殺されたのだと思った。お姉さんを誰も助けなかったんですよねと思った」

 現在国会では、外国人の収容・送還のルールを見直す入管難民法の改正案の審議が続いています。

 与党側は近く採決する構えを見せていますが、野党側はウィシュマさんの問題の真相解明を求めていて、与野党の攻防が激しさを増しそうです。

※音声は弁護士提供