JR東海は20日、東海道新幹線の男性運転士(36)が5月16日におよそ160人の客を乗せた「ひかり」を運転中、およそ3分間運転席を離れていたと発表しました。当時は時速150キロほどで高速走行中でした。

新幹線鉄道事業本部の担当者:
「便意をもよおして腹痛を感じ、耐えきれずに客室のトイレに向かうため、3分ほど運転席を離れました」

 乗務中、急な腹痛に見舞われたという男性運転士。トイレに行くため男性車掌(36)を呼び出し、操縦を代わるよう依頼しました。

 しかしこの車掌は免許を持っておらず。それでも運転士は…。

<運転士>
「機器には触れず運転席にいてくれ」

 と車掌を運転室に残し、トイレに駆け込んだといいます。結局、トイレから戻るまでのおよそ3分間、列車は7.6キロにわたり運転士不在のまま走行しました。

 JR東海によると、運転室には代わりに車掌が残っていたため、結果的に「安全上問題はなかった」としていますが、新幹線を利用する人からは…。

30代男性:
「出張している身としては怖いですね。免許を持っている方を常に2人にするとか、組織体制を見直していただければありがたい」

40代女性:
「1人でやっているんだったら仕方ないと思います」

20代男性:
「緊急停止という手もあったので難しいんですけど。責めづらいです」

 JR東海は、運転中に体調不良などを自覚した場合は、指令所に報告し指示を仰ぐよう定めていますが、この男性運転士はそれをせず。その理由についてこう話しているといいます…。

<運転士>
「プロとして、こんなことで列車を止めるのが恥ずかしいと感じた」

 JR東海は運転士らの処分について厳正に対処するとしています。