名古屋市中村区の映画館「シネマスコーレ」は、座席数が約50席のミニシアターです。コロナで客足が減るなど大きな打撃を受けていますが、そこに人気俳優の斎藤工さんが手を差し伸べました。

 名古屋市中村区のミニシアター「シネマスコーレ」。新型コロナの影響で売上は4割も減少。1人も観客がいない日もあるといいます。

 1日も空席が目立ちますが、その中の一席に張り紙が。近くで見ると「斎藤工様お買い上げ席です」と書かれています。

 実は、人気俳優の斎藤工さんが、1週間の上映あわせて35回分のチケットを購入したといいます。

シネマスコーレの副支配人:
「イベント中での提案だったので、最初はもう頭が真っ白というか、即答ができなかった。とてもうれしいことなので、『ぜひよろしくお願いいたします』と斎藤さんの方にもお返事をさせていただきました」

 斎藤さんは5月28日に、シネマスコーレが開いたオンラインのトークイベントにゲストとして参加。その中で突然、こう申し出たといいます。

<斎藤工さん>
「1席を1週間分購入してもいいですか?」

 そして、コロナ下で苦境にある映画業界への思いを、こう話したといいます。

<斎藤工さん>
「僕も撮影がなくなったり、自分一人の孤独な傷だと思っていたら、同じような映画を愛する人たちが心を痛めていて、でも前を向いていて…。ある種の絆をいま見られています。(座席を買う行為には)賛否もあるだろうけど、いろんなものを整えてから行動するって言ってる場合じゃない劇場さんもたくさんあると思います」

 斎藤さんが購入した席を一目みようと訪れるファンもいて、この週末の集客は2倍から3倍ほどに増えたといいます。

副支配人:
「ファンの方が真横でしたね、(斎藤さんの席の)両脇を挟まれて1日映画を観てくださったので、全然知らない映画を見に来たんですけど、それが面白くて映画の幅も広がるという。今回斎藤工さんが起こしてくれたアクションを、その思いを我々は継いで、緊急事態宣言に負けないではないんですけど、こんなことがまだ映画館はできるんだよと訴えかけられるといいかなと思っております」