
8日は東海3県各地で真夏日を記録しました。本格的な夏の到来はまだですが、この時期から注意が必要なのが熱中症です。
高気圧に覆われた影響で、広い範囲で晴れ渡った8日の東海3県。最高気温は名古屋市で32.4度、岐阜市で32.5度、津市で31.7度と、各地で真夏日を記録しました。
街の人:
「暑いなって。困ってます、体感がついて行かなくて」
別の街の人:
「梅雨の中休みの時はちょっと暑いので、その差でやっぱり体に疲労感がたまるというか」
こんな時、気を付けなければいけないのが熱中症です。
名古屋工業大学の平田教授:
「6月というのは、気温のわりに熱中症のリスクが高いといえます」
6月でも油断は禁物だと訴えるのは、熱中症に関する研究をする名古屋工業大学の平田晃正教授です。
6月と8月、最高気温が同じ32度の場合、平田教授の試算では、愛知県内で熱中症で搬送される1日あたりの人数の予測は、6月は8月の2倍以上。その一番の理由は…。
平田教授:
「暑さ慣れをしていない。このために汗がかきにくく、汗がかけないことによって熱中症のリスクにつながります」
原因は暑さに対する体の準備不足。
人間の体は汗が蒸発する時に体の熱を奪って、皮膚の表面や血液を冷やす作用によって体温を調節します。しかし、急に暑くなる6月は、まだ体が暑さに慣れていないため、うまく汗をかけず、体温を下げることができないため、熱中症の危険が高まるといいます。
今年ならではといえるのが、外出の自粛などによる運動不足。
平田教授:
「体力が落ちている場合には、同じ行動をする場合でもより多くのエネルギーを使う必要があります。それが体温の上昇につながっていきますので」
コロナ禍で気になることといえば、マスクの着用による熱中症への影響ですが…。
平田教授:
「マスクをつけることによって、熱中症の直接の原因になるとはいえません」
平田教授はある実験をしていました。マスクをつけた状態とつけていない状態の体温を比べたサーモグラフィの画像。マスクをしている顔の部分の温度は上がるものの、体温にまで影響はなく、マスク着用でたちどころに熱中症のリスクが高まるとはいえないようです。しかし…。
平田教授:
「(マスクは)保湿効果もありますので、喉の渇きを感じにくいということで脱水などにつながるリスクはあります。こまめに水分補給をするということは、忘れずにお願いしたいところです」