政府はが7月末までに高齢者への新型コロナのワクチン接種を終えることを目指していますが、岐阜県白川村では9日午後、一足早くほぼ全ての希望する高齢者への接種が完了しました。

 世界遺産「白川郷」で知られる白川村。賑わいを見せていた観光地が閑散とする中、体育館で進められたのは、ワクチンの集団接種です。

 9日は午後4時ごろまでに、予約していた65歳から94歳の高齢者64人への接種が完了しました。

81歳の女性:
「外へちょっと出たい時でも安心ですよね」

 高齢者へのワクチン接種が始まって1カ月となった白川村。人口のおよそ3分の1を占める500人ほどが高齢者ですが、声をかけてみると既に2回接種したという高齢者がほとんど。

 実は9日の集団接種で、ほぼ全ての希望する高齢者に2回目の接種が完了。その接種率は岐阜県全体が4.2%の中、88%となっています。

白川村役場の担当者:
「無事に終えられるということでほっとしております。人口ベースで言うと3割程度しか進んでおりませんので、次回の接種もまたスムーズにいくように、準備を進めております」

71歳の男性:
「一日も早く、活気が元のようにとまでは思わんけどね、少し戻ってきてほしいですね」

 感染拡大前は215万人の観光客が訪れていた白川村ですが、去年はおよそ70万人と、3分の1にまで激減しました。

 回復のカギとなるワクチン接種。6月21日からは64歳以下への接種も始まり、白川郷の人たちからも期待の声が上がります。

土産店の男性:
「でもまあ、(ワクチン接種が)終わっていればちょっと安心じゃないですか。『うちは終わってるから大丈夫、見て行って』って感じになるかなと思って。コロナの恐怖がなくなれば、やっぱり人も動いてくれるんじゃないかなと期待していますよね」

 村によりますと、7月中には12歳以上の村民8割近くの接種が完了する見通し。まん延防止等重点措置の適用が解除されれば、感染防止対策を継続しながら積極的に観光客を受け入れたい考えです。

白川村役場の担当者:
「観光客に来てほしいという思いもありながらも、一方で新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒もありまして、中々複雑な気持ちで観光客を受け入れさせて頂いた。感染予防をやるという大前提ですけど、その中で皆さま方ををお迎えしたいと思っております」