新型コロナのワクチンの接種は、岐阜県と三重県でも大規模接種がスタートしたほか、愛知県では64歳以下の接種が本格化する自治体も出てきました。

 岐阜県郡上市では、14日からようやく一般の高齢者への接種が始まりましたが、なぜここまで時間がかかったのか、取材すると郡上市ならではの理由があることがわかりました。

 岐阜県で12日にスタートした新型コロナのワクチンの大規模接種。岐阜市の岐阜産業会館にずらりと並んだブースで、各務原市の高齢者およそ360人に次々と接種が進められました。今後は1日500人規模で岐阜市の高齢者にも接種していきます。

接種を受けた男性:
「できるだけ1日でも早く、1時間でも早くと思って。(ワクチン接種は)早いに越したことはないなと思って」

 また、この日は津市にある三重大学でも大規模接種がスタートし、鈴鹿市に住む高齢者らおよそ1000人が接種を受けました。

 三重県での大規模接種は今後、三重大で津市の高齢者も対象に進めるほか、6月19日からは四日市大など2つの会場が加わり、7月末までに合わせて1万5000人ほどに接種する予定です。

 愛知県では、豊山町で早くも13日から64歳以下への接種が本格化。大規模接種の会場の県営名古屋空港ターミナルビルで、60歳から64歳の町民およそ200人が接種を受けました。

豊山町長:
「65歳以上の方の接種を町内の医療機関でやっていたんですけど、当初の予定よりたくさんやっていただくことができまして。一刻も早く、全員に接種が早く終わるように取り組んでいきたい」

接種した63歳女性:
「高齢者ではないけども高齢なものですから。周りの人たちに迷惑をかけないためにも、ワクチンは早く打ちたかったです」

 加速するワクチンの接種。そんな中、岐阜県郡上市では、ようやく14日から「一般高齢者」の接種がスタート。

郡上市の女性:
「いつになるのかと心配しとった」

別の女性:
「まあ結構遅かったなぁ、この辺は。田舎やで」

 東海3県で最も遅いスタートとなった、その理由は…。

郡上市の青木副市長:
「日にちを決めて、接種していただく医療機関を決めて、計画通りそこへ来ていただくと。計画的にということを考えましたので、ちょっと遅れた」

 郡上市では、事前に調査した希望する高齢者およそ1万2600人全員の接種の日時を、市が指定しています。

 その理由の1つは、郡上市ならではの地理的な事情。

 琵琶湖以上の面積に集落が点在するため、移動距離が長くなる集団接種は高齢者に適しません。そこで市内28の医療機関での個別接種のみで実施することにし、不公平が出ないよう予約も市が調整するなどしたため、時間がかかったということです。

郡上市医師会の会長:
「郡上市の場合には、(7月)24日に全て確実に終了するというスケジュールを立てましたので、不安がられる方は少ないと思いますけど」

接種を受けた高齢者:
「予約を頭から決めてもらって。高齢者ですから時間はありますので、その時間に合わせて来れる」

接種を受けた女性:
「並んでどうの、順番とりがどうのとかなしに、割り振りして下さってありがたいなと」

 郡上市によりますと、高齢者の接種は他の自治体と同じように7月末までに完了する予定。64歳以下の日程は、予約の方法を含め検討中ということです。