東京オリンピックのレスリング最後の1枠を、三重県桑名市出身の高橋侑希選手(27)が一発勝負で手にしました。初のオリンピック出場です。

 試合後のインタビューでは「諦めない」「諦めなければ」「絶対に諦めない」と、何度も「諦めない」という言葉を口にしていた高橋選手。

 その原点が、出身のいなべ総合学園レスリング部です。

 中学・高校時代の恩師の藤波俊一さんは、インターハイで3連覇も、期待されたリオでの出場は叶わなかった高橋選手について…。

藤波さん:
「(高校)3年間はやはり結果が出ていて常にトップだった。だけどリオでこけて、そこからここへ来るまでは簡単な道のりではなかった。今までとは違う、中学・高校の時とは違うわけなんですよ。彼は成長して『諦めない、諦めない』という形になったんじゃないですかね」

 2017年の世界選手権で優勝を果たした高橋選手。しかしその後、国内選考で敗退。東京オリンピックの道は一時絶望的となりました。ところがライバル選手のまさかの計量失格で、高橋選手にプレーオフのチャンスがめぐってきました。

 一度も諦めなかったオリンピックの夢を、最後の最後につかみ取りました。

高橋選手(電話):
「もしもし、よし!よかったよかった。応援ありがとうね」

 真っ先に報告したのは妻の早耶架さんでした。大一番、ユニフォームに忍ばせていたのは、寄せ書き入りのハンカチ。

高橋選手:
「(妻が)このハンカチを作ってくれて、試合前に泣いちゃうじゃんみたいな感じで…。これが背中を押してくれたと思います。今日はいい日になりました」