リニア工事では、JR東海と静岡県の対立が続いていますが、川勝知事が4選を果たし、早速リニアのルート変更に言及しました。これに対しJR東海側は、ルート変更は「あり得ない」と反論。リニア工事の行方は…。

 23日に開かれたJR東海の株主総会。株主の関心はやはり…。

株主:
「やっぱリニアですね。リニアに関しては世間の注目も浴びていますし」

別の株主:
「静岡の大井川の問題が。重要課題と捉えてみえるんだけど、ちょっと心配ですよね」

 リニア工事を巡る静岡県との問題。品川=名古屋間で2027年の開業を目指しているJR東海。これに対し、静岡県は県内のトンネル工事について、大井川流域の水資源への影響を否定できないなどとして、着工に「待った」をかけています。

 JR東海は「水資源の利用に影響はない」と説明していますが、着工のメドは立っていません。

 そんな中、先日静岡県知事選で工事に慎重な姿勢を示す川勝平太知事が当選。自民党推薦の対立候補がリニア工事のルート変更などを主張したことを念頭に、22日の会見でこう言及しました。

川勝静岡県知事:
「私は、これ(ルート変更)は自民党さん全体の方針の1つと受け止めました。今回候補者が言われた内容(ルート変更など)をJR東海にぶつけるという段取りになるかなと」

 生態系に影響が出ることが明らかになった場合、JR東海にリニア工事のルート変更を求める考えを示しました。

 23日の株主総会で、株主からは…。

<株主>
「静岡県からルート変更を要望する声が上がっている。ルート変更を求められたら、どうするのか」

 これに対し、JR東海側は…。

<JR東海の宇野副社長>
「ルートの見直しは、全てが振り出しに戻ることになります。土地の買収も進んでいることなどから、変更はあり得ないと考えています」

 ルート変更に言及する静岡県に対し、「あり得ない」と言い切ったJR東海。静岡県内のリニア工事の着工のメドは立たないままです。