ワクチン接種を公的に証明する「ワクチンパスポート」の申請受付が、26日から始まっています。海外に入国する際の隔離措置が免除されるなどメリットがありますが、課題も残っています。

 名古屋学院大学の2年生、工藤美紗樹さんは、韓国への留学を8月に控え、留学予定者に優先接種する名古屋市の制度を利用しこの日、1回目の接種を受けました。

工藤さん:
「思ったより痛くなくてびっくりしました。留学に行く前にキャンセル枠を使って打てるということになったので」

 コロナの影響で、一時は実現も危ぶまれた留学。2回目の接種を終えれば晴れて韓国行きです。

工藤さん:
「安心しました。留学の前に打ってから行けるのは、とてもいいと思いました」

 しかし、ワクチンを打っていても留学には制限が生じます。

工藤さん:
「2回ワクチンを打っていても、入国してから14日間は隔離をすることが必須になっています。隔離がなかったら、留学のスタートがもっと楽しいものになったのではないかと思います」

 渡航後まず待ち受けるのは、一定期間の隔離。留学生活は、その国の言葉や文化に触れられないまま始まることになるといいます。

 こうした制限を緩和する制度の申請が、全国の自治体で始まっています。予防接種証明書、いわゆる「ワクチンパスポート」です。

 7月26日から、ワクチン接種済証やパスポートなどを自治体に提出することで発行され、海外渡航時の隔離などが免除されるといいます。

 現状、日本が発行するワクチンパスポートで隔離の免除などを受けられるのは、イタリア・オーストリアなど5か国のみ。工藤さんが留学する韓国は、留学や旅行での渡航の場合、ワクチンパスポートがあっても隔離を求められるなど、パスポートによる「緩和や免除」は限定的です。

大府市健康増進課の担当者:
「(Q.申請数は?)本日(7月28日)はまだ2名。現状として、ワクチンパスポートが使用可能な国や地域がそこまで広がっていないところもありますので、この程度の件数なのかなと」

工藤さん:
「(ワクチンパスポートについて)今の段階だと詳しいことは決まっていないが、これから先ルールが決まりだして、持っていないと制限が出てくると、やはり色々なことが大変だと思うので(申請する)」