8月26日に三重県知事選挙が告示されます。新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない中ですが、三重県ではその対策の指揮を執るリーダーが代わります。

 現職の鈴木知事が衆院選への出馬を表明し、実施されることになった今回の選挙には、3人が立候補を予定しています。

 三重県津市のホールで25日午後、26日告示される知事選挙の立候補受付のリハーサルが行われ、選管の職員らが手順を入念に確認しました。

 今回の知事選挙は、現職の鈴木英敬知事が秋の衆議院選挙で三重4区から立候補することを表明したため行われることになりました。

鈴木三重県知事(8月5日):
「9月12日付で知事職を退職したい旨、申し出をさせていただきました。この秋に行われます衆議院選挙に、三重4区から立候補することの挑戦をしたい」
 
三谷県議(8月11日):
「9億いくらの(知事選関連の)補正予算、知事が退職をされなければ必要のないお金でありまして。国政に転ずる知事個人の思い、知事個人の欲求の結果じゃないですか」

 議会からは批判の声も上がりましたが、かねてから鈴木知事が国政に挑戦すると目されていたのも事実。与野党は水面下で後継候補の擁立を進めていました。

自民党三重県連会長の川崎衆院議員:
「コロナの対応策、来年まで続くでしょう。こういった問題をやっていくためには、与野党が激しく戦うよりは、与野党が納得できる候補者を」

立憲民主党三重県連代表の芝参院議員:
「与野党相乗り状態の選挙態勢を作っていかなければなりません」

 新型コロナ対策で政治的空白が許されないとの認識と、秋に衆院選を控え、体力温存を図りたいとの思惑が一致した与野党。

 相乗りできる候補として白羽の矢が立ったのが、元国土交通省の官僚で亀山市出身の一見勝之さん(58)でした。

一見さん:
「ふるさとを思い、ふるさとのために働くという気持ちでございます」

 鈴木知事の辞職表明から1週間後に開いた出馬会見。特に強調したのが、官僚時代に培った危機管理の経験で、新型コロナ対策にも活かしたいと語りました。

一見さん:
「鉄道局の時代はJR福知山線の脱線事故を経験しております。ここで危機管理の要諦を学んだところでございます。慢心してはいけない、思い込みをしてはいけないというのは非常に重要なので、今の県の体制がどうなっているのかヒアリングをさせていただきたい」

 一見さんは自民党、立憲民主党に加え、公明党や国民民主党からも推薦を受けます。

 この与野党相乗りでは、衆院選での野党の姿勢が疑われると対決姿勢を打ち出したのが共産党で、元県議の岡野恵美さん(69)を対抗馬として擁立しました。

岡野さん(8月20日):
「弱い立場の方々の声をしっかり拾っていかなければいけないと思っています」

 岡野さんは、PCR検査の体制強化といった新型コロナ対策のほか、リニア中央新幹線の駅の整備をやめて、コミュニティバスなど地域の「生活交通」の拡充に予算を使うべきと訴えています。

岡野さん:
「すんなりとは超特急に乗ることはできませんので、身近な交通を守るような政治に切り替えなければなりません」

<共産党の衆院議員の応援演説>
「岡野恵美さんを反対に読むと、『み・え・の・か・お』になるんです。県知事に押し上げて『三重の顔』にしようじゃありませんか」

 今回の三重県知事選には、津市の建設会社社長・石川剛さん(47)も、疾病対策センターの設置や地下鉄建設などを掲げて出馬する予定です。

石川さん:
「(Q.政党や団体の推薦を受ける予定は?)受けたくないですね。皆さんが向いている方向と私が思っている方向は、少なくとも15度ぐらい違うので。しがらみにとらわれたくない。県の将来を向くべきところへ向かせていきたい」

 新型コロナ対策を始め、県政の新たな舵取り役を選ぶ三重県知事選挙は、26日告示、9月12日投開票です。