新型コロナの蔓延による緊急事態宣言が発令され、活動が制約される中での三重県知事選挙は12日が投開票日です。新人候補3人の戦いを追いました。

 無所属の新人候補3人が争う知事選挙は、これまでとは少し様子が異なります。

 コロナ禍で街頭で声を張り上げたり、会場いっぱいに人を集めて支持を訴えたりする従来の手法が封じられた今回の選挙戦。

50代の有権者:
「盛り上がりはイマイチじゃないかなと思うんですよ」

60代の有権者:
「(選挙カー)回っているんですかね?コロナだから回ってこないんでしょうけど」

 有権者からは活動が少し見えづらかったようですが、候補者たちは次のような戦いをしてきました。

 自民党や立憲民主党など与野党4党が推薦する、元国土交通省の官僚・一見勝之さん(58)。

一見氏:
「コロナを克服していく強い体制を作るという意味で、『強靭な三重』『美(うま)し国三重』というのをキャッチフレーズに掲げさせていただいています」

 主に街頭演説で支持を訴えていますが、密を避けるため組織に動員をかけないので、聴衆の数は限られがち。そこで、演説の様子をツイッターなどで発信し、浸透を図っています。

立憲民主党の岡田衆院議員:
「コロナ禍における三重県のリーダー選びです。一見勝之をよろしくお願いします」

 感染予防には細心の注意を払っていて、ビラ配りでもビニール手袋に二重のマスクと、念には念を入れた対策。官僚時代に培った危機管理能力の片鱗を見せる活動をしています。

岡野氏:
「優しい県政にしたいなって。押し付けるんじゃなくて、よく話を聞いて、(政策を)よく練って」

 共産党が推薦する元県議の岡野恵美さん(69)は、この選挙戦でリモート集会を初開催。子育て中のママや介護の仕事をしている女性たちと、およそ1時間対話しました。

参加者:
「給食の拡充と無償化、公約にも書いてくださっているので」

別の参加者:
「三重県は原発(誘致)を止めた町もあるし、今後の日本のエネルギーにすごく関心が高まっていると思うので」

 以前は有権者と顔を合わせる活動一本鎗でしたが、リモートでの集会も、草の根の支持を広げるのに有効な手立てだと感じたようです。

岡野氏:
「ちょっと緊張しました。なかなかいい試みやなと思いました。出かけなくてもいいしね、色んな方の意見がそこで総合的に聞けるし」

 文字通り地を這う活動を続けているのが、建設会社社長・石川剛さん(47)。掲示板に主張をしっかり書き込んだポスターを、自ら貼って回っています。

石川氏:
「色んな所を見てると、やることはいっぱいありますよ。落石、土砂崩れ、民家のすぐ傍っていうのが結構何カ所か見えてくるし、そういうところに擁壁工事なり、土砂崩れ予防工事とかね」

 緊急事態宣言下での三者三様の戦い。有権者の評価は12日示されます。