19日、岐阜県飛騨地方で最大震度4の地震があり、その後も地震が10回以上続きました。その直後に北アルプスの槍ヶ岳で落石が発生し、愛知県一宮市の男女を含む7人が一時身動きが取れなくなりました。

 19日夕方、地震発生時に飛騨市奥飛騨温泉郷から焼岳を捉えた様子。画面が小刻みに揺れています。

 19日午後5時18分ごろ、岐阜県飛騨地方を震源とする地震が発生。岐阜県高山市で震度4を観測したほか、飛騨市で震度3、白川村で震度2など、愛知・岐阜両県を中心に揺れが観測されました。

 地震の揺れを示すマグニチュードは5.0と推定され、この地震による津波はありませんでした。

高山市上宝地区の住民:
「窓ガラスがビビビビと揺れるような感じが2、3回起きて」

 飛騨地方では20日になっても地震が続いていて、午後3時までに震度1から3の地震が13回ありました。被害の情報は確認されていません。

 気象庁は、引き続き同程度の揺れが起こる可能性があるとして注意を呼びかけていますが、

 名古屋大学の山岡教授は、「おそらく山の中では震度4よりも強い揺れで揺すられている可能性がある。昔から群発地震的な活動が多いところです」と話し、「1週間くらい様子を見て、収まっていったらしばらく安心してもいい可能性がある」としています。

 この地震の影響は北アルプスにも…。

 地震発生直後、長野県松本市の穂高連峰で撮影された落石の映像。19日、北アルプスでは落石が相次ぎ、このうち槍ヶ岳では、登山中だった愛知県一宮市の男女3人のパーティーを含む6人が落石の影響で身動きがとれなくなり、警察に救助を要請。いずれもけがはなく、一宮市の3人は20日朝に警察のヘリで救助されました。

救助された一宮市の男性:
「5分10分前に歩いたルートの岩が落ちて。その後、結構7時8時ぐらいまで余震があって、余震のたびに、また岩が落ちる音とかしていたので、ちょっと怖かったです」

 残る3人は自力で下山しているということです。

 他にも槍ヶ岳では、東京都の61歳男性が落石によりケガをしていることも20日朝なってわかり、救助されました。命に別条はないということです。

 落石は地震が原因とみられていますが、専門家は今後も地震が続いた場合、さらに、落石の可能性があると注意を呼びかけています。

山岡教授:
「登山として山の中に入っていく場合には、特段の注意が必要だということだと思います。当然ヘルメットとか、落石があっても命を守れるような対策をとることは常識ですけれど、突然揺れて上から石が落ちてくることはあり得ると、想定していただきたい」