将棋の藤井聡太三冠はこの週末も、最年少四冠をかけた竜王戦や初防衛を果たした「棋聖」の就位式出席などで多忙でした。

 黒の紋付き袴姿で壇上に上がった藤井聡太三冠。10日、今年7月に初防衛を果たしたタイトル「棋聖」の就位式に出席しました。

 棋聖戦では、挑戦者だった渡辺明名人を相手に妙手を連発し、ストレート勝ち。18歳11カ月、最年少初防衛を決めた藤井三冠には、賞杯や目録、さらには着物の仕立て代100万円分が贈られました。

藤井三冠:
「私にとって初めての防衛戦でしたが、そのことで力んでしまわないように、前期と同じく挑戦者の気持ちで臨めればと思っていました」

 防衛後に揮毫した記念扇子には「雲外蒼天」の文字が…。困難を乗り越えた先には、素晴らしい世界が広がっているという意味です。

藤井三冠:
「強くなることで、盤上において今まで見えてこなかった新しい景色が見えてくるかなと思うので、それを目指していきたいという気持ちを込めました」

 盤上での新しい景色といえば、就位式の前日まで行われていた竜王戦の第1局。

 中盤までは後手番の豊島竜王にリードを許していましたが、わずかな隙を突いて一気に寄せていき、123手で勝利しました。

豊島竜王:
「どこかで間違えてるんだと思うんですけど。途中からちょっとずつ悪くなってしまったので」

 リードしていた豊島竜王でも形勢の判断がつかなかったというハイレベルな戦い。

藤井三冠:
「少しでも多くの方に将棋を知っていただいて、自分としてはプレイヤーとして、良い将棋を指すことが最優先になるのかなと思うんですけど、長期的にもそういった視点を持って活動していけたらと思っています」

「竜王」タイトル獲得に向け幸先の良いスタートを切った藤井三冠。第2局は10月22日と23日。ハードスケジュールの中、また新たな盤上の景色を見せてくれそうです。