藤井聡太三冠は、31日まで福島県で行われていた将棋界最高峰のタイトル「竜王戦」の第3局に勝利し、四冠達成に王手がかかりました。地元の手厚いもてなしも力になったようです。

 福島県いわき市の旅館で行われていた「竜王戦」七番勝負の第3局。これまでに藤井三冠が一宮市出身の豊島将之竜王に対して2連勝。ここで勝てば四冠達成にグッと近づきます。

 戦型は角換わりで、両者とも1時間以上長考するなど難解な局面に…。豊島竜王は午後6時の定刻を過ぎても、封じ手を決めず考え続ける場面もありました。

 そんな2人、前日にはいわき市の観光名所「いわき・ら・ら・ミュウ」へ。いわき市でよく獲れるという伊勢海老を見せてもらうなど、盤上とは違う穏やかな表情でした。

豊島竜王:
「すごく活気があって、おいしそうな魚がたくさんありました。明日ちょっと海鮮丼を食べてみようかなと思って」

藤井三冠:
「海鮮丼、私もいただいてみたいなと思っていたんですが、先を越されてしまって。(福島の)食べ物のおいしさだったり、そういったものを発信できるところがあればなと思っています」

 1日目の昼食は豊島竜王が宣言通り海鮮丼をチョイス。伊勢エビのお造りまでついた豪華なメニュー。一方、藤井三冠は験を担いだのか、いわきの名物を使った「勝つ」カレーにしました。

 ちなみに2日目は2人とも麺類を選びました。

 対局の形勢が傾いたのは2日目の午後に入ってから。藤井三冠の重厚な攻めに対し、豊島竜王が守りの手を指したあたりから徐々に藤井三冠のペースに。

 最後は鮮やかに寄せて93手で勝利しました。

藤井三冠:
「本局は考えても分からないところが多くて、そのあたりの判断力というのはまだまだと思ったので、第4局までに少しでも修正して良い状態で臨めればと思います」

豊島竜王:
「内容を良くしていって一局でも多く指せるようにと思います」

 これで3連勝となった藤井三冠。竜王獲得、そして史上最年少四冠達成まであと1勝となりました。

※画像は日本将棋連盟提供