感染した女性の死亡例も…屋外のマダニが媒介『日本紅斑熱』が増加傾向 専門家に聞いたキャンプ等での注意点
秋はハイキングや散策が楽しい季節ですが、マダニには注意が必要です。
マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」の感染が、愛知県豊田市の女性に確認されました。場合によっては死に至ることも…その対策を取材しました。
秋の行楽シーズン。登山にハイキング、キャンプなど、多くの人が山や森へ出かけます。注意が必要なのが屋外に生息する「マダニ」。
10月29日、愛知県豊田市に住む登山愛好家の60代の女性が、マダニが媒介する「日本紅斑熱」に感染していたことが分かりました。
発熱や倦怠感など訴え、病院の検査で判明し、幸い軽症でした。この感染症について専門家は…。
愛知県衛生研究所の佐藤生物学部長:
「リケッチアという病原体を持つマダニに刺されることにより感染します。感染してから2日~8日で頭痛・発熱・発疹等の症状があらわれます」
発熱に発疹、重症化すると多臓器不全などに繋がります。
日本紅斑熱は愛知県では今年4件目。全国でも近年増加傾向にあり、去年は過去最多の420件、今年は10月17日までで既に374件が報告されています。10月に愛媛県では80代女性の死亡が報告されました。
原因となるマダニは夏から秋が活動のピークで、森林や田畑のけもの道の草むらなどに生息。近づいてきた野生動物やヒトにかみつき、血を吸います。
病原体の「リケッチア」を保有するマダニにかまれることで感染しますが、その対策は…。
佐藤さん:
「マダニに刺されないよう、草むらややぶに入る場合は長袖・長ズボンでシャツの裾はズボンの中に入れる。ズボンの裾は靴下や長靴に入れる。帽子手袋を着用して首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが重要となります」
また虫よけ剤も有効で、マダニに刺されたらできるだけ早く医療機関で手当てを受けることが大切ということです。
※画像は豊田市保健所提供