11月2日の東海ラジオ『ドラゴンズステーション』に、今シーズンで現役を引退した山井大介さんがゲスト出演し、完全試合を目前にした9回でマウンドを降りた2007年の日本シリーズについて言及した。

 2007年11月1日、当時のナゴヤドームで行われた日本シリーズ第5戦では、中日が日本ハムを下し、53年ぶりの日本一を決めた。山井さんは8回まで日本ハム打線を完璧に抑え、9回は守護神・岩瀬仁紀が締め括り、リレーで完全試合を達成した。しかしこの投手起用に関しては、賛否両論、議論が噴出した。

 番組ではリスナーからの質問で「もう一度やり直したい試合はあるか」という、その試合に触れることを促すような質問があり、山井さんは「ない。全試合、頑張って投げたので」と答えた。

 しかしここで、番組コメンテーターで中日OBの岩瀬仁紀さんが「待った」をかけた。絶妙のタイミングで「あの日本シリーズは最後まで投げてほしかった」とツッコミを入れ、「あれほどイヤなマウンドはなかった」と続けた。

 山井さんは「あのときは(9回表のマウンドに)向かう気持ちはあったか」と聞かれ、「どうでしょう?あの…、まあまあ…、また、これ話しますか?」と言って、スタジオの笑いを誘った。

 さらに岩瀬さんは「行きたい気持ちはあったはずなのに、そこでなぜチームのことを考えたのか。チームのためを思って出てきた言葉が『岩瀬さんでお願いします』。もっと自分のことを大事にしてあげればよかったんじゃない?」と質問。

「勝手にだけど『絶対3人で終わるやろ』と思っていた」と山井さんは明かし、岩瀬さんは「あとで試合の映像を見たら、ベンチの山井が晴れ晴れとした表情で、にこやかに笑みを浮かべていた。それを見て『ふざけんな!』と思った」と振り返り、またスタジオが笑いに包まれた。

 山井さんは「それぐらい『岩瀬さんならやってくれる。岩瀬さんにつなげば』が合言葉みたいなものでしたから」と弁明した。