国内でも確認され始めた新型コロナの新たな変異株・オミクロン株はこれまでは4例でしたが、10日新たに8人への感染が確認され、岐阜県でも40代男性が感染した可能性があることが9日分かりました。

 国内でも増え始めたオミクロン株をどうやってほかの株と見分けるのか、東海地方でも活躍が期待される判定装置を取材しました。

古田岐阜県知事(9日):
「オミクロン株の方の濃厚接触者について、結果はデルタ株ではないと。アルファ株、べータ株、ガンマ株、オミクロン株のいずれかの可能性がある」

 9日、岐阜県海津市に住む外国籍の40代の男性に、新たな変異株「オミクロン株」に感染した可能性が浮上。この男性は、国内4例目のオミクロン株の感染者となったナイジェリアに滞在歴のある男性(50代)と同じ飛行機に乗っていました。

 12月4日に帰国し、成田空港での検査では陰性で、翌5日に知人が運転する車で海津市の自宅に帰っていました。

古田岐阜県知事:
「発熱したのは7日。(8日に)厚生労働省から連絡があって、直ちにコンタクトをとって、よく話して入院していただいた。(9日に)ゲノム解析をスタートした」

 ゲノム解析とは、オミクロン株への感染を調べるための遺伝子検査です。

 名古屋市守山区の名古屋市衛生研究所にあるのが、オミクロン株の判定が行える「次世代シークエンサー」と呼ばれるウイルスや細菌を遺伝子レベルで解析する装置です。

 これまでに、名古屋市で感染が確認された新型コロナのうち、およそ2500検体のアルファ株とデルタ株の遺伝情報を解析しました。

名古屋市衛生研究所の担当者:
「オミクロン株は変異が多いため、(オミクロン株か)確定させるためにはこの機械を使わなければ仕方がない」

 解析された遺伝子の情報を、世界中から集めた新型コロナウイルスのデータベースと照らし合わせることで、オミクロン株かどうか、また感染ルートなどを確認することができます。

 現在、日本国内の新型コロナはほとんどがデルタ株に置き換わっていると考えられていて、PCR検査の結果がデルタ株でなかった場合、オミクロン株の可能性があるため、この装置にかけて調べるということです。

名古屋市衛生研究所の担当者:
「(新型コロナの)変異を追うことで、どういった感染症対策を行ったらいいか想定していくのに役に立つだろうと思っています」

 次世代シークエンサーは名古屋市のほかにも、愛知・岐阜・三重で1台ずつ導入していて、オミクロン株の判定に使われます。