新型コロナウイルスの感染が広がる中、気になるのはピーク時に達する「感染者数の規模」です。AI=人工知能による最新の分析は、これまでの予測を大きく上回るものでした。

 AIを用いて感染者数を予測する研究に取り組む、名古屋工業大学の平田晃正教授。現在の感染拡大傾向に警戒を強めます。

平田教授:
「第6波の入り口にいると考えています」

 平田教授が指摘する感染の「第6波」。去年11月の取材でも「必ず来る」として、その規模を予測していました。

 当時の予測では、愛知県での1日の新規感染者数は12月から増え始め、1月中旬ごろにおよそ200人程度のピークを迎えるというものでした。

 しかし、年が明けAIではじき出した予測は大きく変わったと言います。

平田教授:
「今回特に変異株の情報を加えています。これは従来の株に比べて、オミクロン株の拡散が非常に早いということで、その効果を加味するためになります」

 原因は今急速に広まりつつあるオミクロン株です。

 平田教授による最新のAI予測では、2月中旬から下旬、愛知県で1日1000人程度という大きな感染の波が来るとしています。

 平田教授によると、現在の感染拡大は年末の飲み会や帰省などの影響を受けた従来の変異ウイルス「デルタ株」の再拡大。1月中旬以降、感染力がより強いとされるオミクロン株に置き換わっていくことで感染拡大が加速すると言います。

平田教授:
「この試算なんですが、あくまでも従来並みには感染対策をおこなっている、継続した場合ということになっています。従って、気を緩めた場合にはさらに増加する可能性もあります」

 さらに、平田教授が今回の拡大で懸念するのは「長期化の恐れ」です。

平田教授:
「行動制限をしない場合、今回は(感染者数を)あまり下げる要因がないんですね。なかなか下がらない可能性もあります。今後拡散するということは、かなりの確率だと思いますので、今から感染対策を徹底いただく、これが一番だと考えています」

 平田教授は、感染対策や行動制限を行わない場合、1日およそ1000人という数字を上回るさらなる感染者数や、収束までの長期化の恐れを指摘しています。

 そして、今回の特徴が「地方から都市部への感染者の流入」。現在、爆発的に感染者が増えている沖縄などから、年末年始を経て愛知に持ち込まれている可能性が十分あると言います。

 地方から都市部へ感染者が入ってくるという傾向は今までになく、この想定外のウイルスの流入も感染者数を増やす要因になるということです。