新型コロナウイルスの新規感染者が大幅に増加し、「宿泊療養施設」の入所者は1週間で約50倍にもなっています。名古屋の施設で対応にあたる看護師を取材しました。

 看護師の松山旭さん。名古屋市の中等症までの患者を受け入れる宿泊療養施設「東横INN名古屋名駅南」で、2021年4月から新型コロナの陽性が確認された患者の対応に当たっています。

松山看護師:
「今250近く埋まってきていまして、ピーク時で360ありましたので、もうすぐそこに近づいてくるかなという感じ」

 奥の防火扉の向こうがレッドゾーン。この施設への入所者は、正月の三が日までは1桁台でした。しかしその後一気に増え、今では1日あたり40人から50人ほどの軽症・無症状の患者が入ってくるといい、現在は250人を超えているということです。

松山看護師:
「年末と比べると増えてきていますので、1.5倍くらいの人員で行っていますが、急激に感染者数が増えてますので全く足りないので、追いつけるように増員をかけてもらっているところです」

 たった2週間ほどで、入所者はおよそ50倍も増えました。

 ここで働く看護師の仕事は、1人1人に体調を聞きとったり、診察が必要な患者のケアをしたりと多岐にわたります。

 第6波が押し寄せる今、医師も看護師も気が休まらない事態に陥りつつあります。

 逼迫しつつある現場に、名古屋市のコロナ対策のトップである浅井清文医監も危機感を募らせています。

浅井医監:
「(宿泊療養と)自宅療養とコンビネーションをどう取るか、それをうまくやっていく必要があるかなと思います」

 強い感染力の一方、デルタ株に比べ重症化しにくいとされるオミクロン株。そのため名古屋市では、軽症の患者の増加を見越し、地域のクリニックの医師が自宅療養の患者のもとを訪れる往診や、スマートフォンを使った健康観察などの仕組みを強化するなどし、第6波を乗り切るための備えをしているといいます。

浅井医監:
「今の伸びでいったら、本当にあと1週間、10日すると(感染者が)2倍・3倍となってきますから、すぐ1日1000人の陽性者が出ることもあり得る」

 宿泊療養者施設は、これまで以上に重要な役割を担うことになります。

松山看護師:
「第5波を乗り切ったという経験がありますしシミュレーションもしてきたので、ここで感染を抑えるという使命感を持って頑張りたい」