新型コロナのオミクロン株急拡大から1か月ほどが経ち、「後遺症」が深刻化しています。

 名古屋市中区の柊みみはなのどクリニック。2021年11月に「後遺症外来」を開設し、多い日には6人が診察に訪れるといいます。

柊みみはなのどクリニックの院長:
「オミクロン株が流行しだしたのが1月上旬からですから、これから後遺症が出る方が多くいらっしゃるのではないかなと感じております」

 診察に訪れたのは名古屋市に住む80代の女性。オミクロン株に感染したとみられていて、1月23日に発症。軽症だったといいますが、療養期間が終わり3日ほどが経ち、ある異変に気付きました。

院長:
「最初のにおいの感じ方が10とすると、今どれくらいまで落ちてる?全然わからない?0?」

後遺症で受診した80代女性:
「全然わからない…」

 嗅覚障害です。

後遺症で受診した80代女性:
「コロナ自体は(症状は)楽だったんですけど。3日後くらいに匂いがなくなったもんだから。私コーヒー好きなもんですからコーヒーの匂いも分からないし、おかしいなと思い色々匂っても全然分からないから」

 国立国際医療研究センターによると、コロナ患者の76%の患者に後遺症が認められたと報告されています。

院長:
「(オミクロン株は)くしゃみ・鼻水の方が多いですから、鼻に炎症の方が多いと思うんです。そうすると味覚障害・嗅覚障害は一定数出てくる可能性が高いです」

 新型コロナの後遺症は、嗅覚・味覚障害のほか、頭痛や倦怠感などの症状が報告されています。

院長:
「後遺症が出やすいリスク因子というのがありまして、まずは高齢者・重症の方・肥満の方・女性」

 嗅覚に異常が出たという80代の女性。どこに原因があるのか調べるためCT検査を受けました。すると…。

院長:
「右の上顎洞というほっぺたの空洞のところに炎症があります。これが匂いの障害の原因の一つと考えられます」

 鼻の炎症を鎮めるため、のみ薬と点鼻薬を処方されました。

後遺症で受診した80代女性:
「ちょっと安心しました。そんなにひどいものじゃない、薬とかで治ると言われましたので」

 院長はおかしなことがあれば後遺症を疑い、早めに受診することが大事だといいます。

院長:
「普段の食事をしていて、なにか味がおかしいと感じたり匂いがいつもと違うと感じたら、それは後遺症の発現だと思われます。コロナの後遺症は急に前触れなく起きるのが特徴ですので、もしおかしいと感じたら早めに専門医のところに受診をしていただけるとありがたいです」