“迷惑者”の退治についに街が乗り出しました。カラス撃退の切り札として岐阜県大垣市で導入されたのは人工知能です。カラス対AI決戦の行方は…。

 ごみを漁るカラス。「防鳥ネット」もお構いなしです。仲間と協力し、ひとしきり食い荒らした後に残るのは…散乱したゴミです。

 この迷惑カラス問題は岐阜県大垣市でも…。

(リポート)
「数えきれないくらいのカラスが夕方になって集まってきました」

 大垣市役所と周辺の建物では10年ほど前からカラスが増え始め、最近は夕方になると1000羽以上が押し寄せるように。

大垣市民:
「怖いです」

「糞がいっぱい落ちていたりする時はありますね」

 市役所の屋上は…。

大垣市役所環境衛生課の担当者:
「ご覧のようにカラスの固形のフンが沢山あるのがうかがえるかと思います。ある一定の場所に集まって、ゴミステーションはここが荒らしやすいよとか、そういった情報共有をする場所がこういう高台だと聞いております」

 住民からの相談も相次ぎ、市は害獣駆除業者と手を組み迷惑カラス撃退に乗り出しました。

 市役所屋上にカラス撃退装置を設置。制御するのは人工知能=AIです。

 さらに、屋上には3台の監視カメラとスピーカーが設置され、カメラがカラスだけを判別し、カラスが嫌がる音を出して追い払うと言います。

防除研究所の梅木社長:
「カラスの嫌な音を色々研究して40種類作った。ずっと同じ音だったら学習して、カラスは頭が良いので毎回違う音が出るというのがこの装置の特徴です」

 AIと迷惑カラスの戦い。見慣れない装置を警戒することを見越し、6日たった2月15日に実験スタート。

 夕方いつもの時間、何も知らずにカラスの大群がやってきました。

(リポート)
「まもなくAIシステムの電源が入れられます」

 いよいよその時です…。

(リポート)
「音が鳴った瞬間、周辺のカラスが一斉に飛び立ちました」

 効果あり、嫌がっています。時間を置いてまた屋上にやってきましたが、再び嫌な音に驚いて逃げ、作戦は大成功。

 撃退装置の威力は絶大で、市役所の屋上には1羽として止まることが出来ませんでした。

 実証実験は4月末まで、AIの精度を高めたりカラスの嫌いな音を選別したりするなど検証が進められる予定です。