ロシア軍によるウクライナへの攻撃が続いていますが、私たちの生活に身近な「医療」の分野でも価格が高騰しているものがありました。

 名古屋市南区にある歯科医院。歯の治療に必要なモノの価格が大きく値上がりしているといいます。

歯科医院の院長:
「銀歯は、金・パラジウム・銀(でできている)。それがないと被せ物が作れない」

 虫歯の治療に使われる「銀歯」。これに含まれるパラジウムという金属の価格が高騰し、原料となる合金の値段が上がっていました。

歯科医院の院長:
「ちょうど30gが10個入った1箱単位で買っていたんですけど、それでも20〜30万円で買えていたのが、今では100万円超えになっています」

 ロシアはパラジウムの世界生産量の4割を占めていて、情勢悪化に伴う供給への不安から価格が高騰。多くの歯科医院が頭を悩ませているといいます。

歯科医院の院長:
「金属代は保険点数で決まっています。銀歯の材料費を払うと保険点数に見合わない状態。治療すればするほど赤字になると」

 銀歯は保険適用の治療のため、値上がり分を治療代に上乗せすることはできず、歯科医院側が負担せざるを得ないといいます。

 治療すればするほど赤字になる「銀歯」。4月に保険点数の価格改定がありますが、患者への負担が増えることが懸念されています。

歯科医院の院長:
「今までに経験したことのない急騰ですので、材料代が上がるのは仕方がないことです。保険点数が上がったとして、患者の負担の増加に繋がることが一番懸念されています」