名古屋の中学校で、火を使うトーチの練習中に男子生徒が大ヤケドをした事故で、生徒と両親が名古屋市に損害賠償を求め提訴しました。

父親:
「真実を明確にしようと思うと、裁判という形しかなくて」

 名古屋市内の中学校に通っていた男子生徒の父親。26日、名古屋市などを相手取り、約1300万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

 2019年7月、守山東中学校で「ファイアトーチ」の練習中に、男子生徒(当時13)の服に燃え移った炎。男子生徒は右腕に大ヤケドを負いました。

 しかし、指導をしていた男性教師(当時53)らは、男子生徒に信じられない言葉を言い放っていました。

<学校側の説明>
「『ちょっと練習した日数が少なくて、そういうところで罰が当たっちゃったのかもしれんね。次からはミスなくやれる時は頑張ってやっていこうね』という形で言った『罰』というのは、僕もあったような気はするんですけど…。(Q.言ったということですね?)はい」

 男性教師(当時53)らの言動に不信感を抱いた両親は、2020年3月に警察に刑事告訴。その後、男性教師は書類送検され、2022年3月、名古屋簡裁は安全対策を怠ったとして、業務上過失致傷の罪で罰金30万円の略式命令を下しました。

 刑事事件としては結末を迎えましたが、両親は26日、安全対策を怠ったなどとして、名古屋市などにおよそ1300万円の損害賠償を求め提訴。男性教師の暴言について、学校が教育委員会に提出した報告書に「生徒の母親が先に言い、それに便乗しただけ」とするなど事実と異なる記述があったとして、裁判を通じて真相の解明を求めています。

男子生徒の父親:
「(ファイアトーチの)文化をなくしてしまった家族という形で見られていて、誹謗中傷だったり家族全員が精神的に追い込まれてしまうようなこともすごく多かったので」

 誹謗中傷などが原因で、高校生になった今も学校には通えていないという男子生徒。26日の会見で、父親が手紙を代読しました。

<男子生徒のコメント>
「先生たちには、僕が3年間どれだけつらい思いをしたのか、少しでも知ってほしいです。ウソばかりついて逃げてばかりいる先生ですが、そろそろ真摯に向き合う時だと思います」