
北海道知床半島沖の観光船の沈没事故を受け、この地方の観光遊覧船に影響はあったのでしょうか。三重県の熊野灘のツアーを取材しました。
北海道知床半島沖で26人が乗った観光船が沈没した事故は、4日も残る行方不明者12人の捜索が続けられました。
ゴールデンウイーク真っ只中の3日、熊野灘に面した三重県熊野市の松崎港を訪れると、ライフジャケットを着た多くの観光客の姿が…。
目的は、およそ70分かけて熊野灘の絶景をめぐるツアーです。定員15人に対し、14人が参加していました。
まるせいまるの船長(71):
「(Q.事故を受けて遠慮する人は?)それはないと思いますけどね。(参加者は例年と)同じくらいですね」
ツアーでは、熊野灘の荒波に削られてできた世界遺産の「鬼ヶ城」に、エメラルドグリーンに澄んだ「青の洞窟」などを周遊。洞窟の中にも入ることができ、観光客らは写真を撮るのに夢中になっていました。
今回、知床の遭難事故を受けて、参加を取りやめる人はいなかったといいますが、観光客らは…。
福岡から来た女性:
「天気をちゃんと見て、この日なら大丈夫だと自分でも調べてきたので、不安は無かったです。波が高いとかそういう時は、自分でも自衛策は必要なのかなと思います」
大阪から来た女性:
「そういう事故が起こったら、点検とか念入りに運転手の方がやってくださると思うので、今日に関してはたぶん大丈夫じゃないかなと」
知床の事故では、通信手段についても問題となっています。事故の3日前、運航会社は衛星電話から携帯電話に変更していたことがわかっています。
熊野灘でツアーを運航する「まるせいまる」では…。
まるせいまるの船長:
「(連絡手段は)携帯電話やね。距離が近いですからね。陸からはあんまり離れてないでしょ。どこでもドコモだったら通じるから」
さらに、別の遊覧船業者も…。
マルヒサ渡船の船長:
「僕は(運輸局に)登録しているのが携帯電話なんですよ。(行き先は)電波の通じるところで、沖の方へ行くわけでもないので」
熊野灘を周遊するツアーでは、携帯電話の電波が届かない沖合に行かないため、問題はないといいます。
ただし、トラブルが起きた場合は、携帯電話で仲間の漁船や海上保安部に助けを求めることになっているといいます。
マルヒサ渡船の船長:
「知床の事件があってから、より一層気を付けないと駄目かなというのはありますね」