産地の不作などで「タマネギ」が去年(2021年)より3倍近く高騰しています。タマネギ必須のカレー店からも悲鳴が上がっています。

 お値打ち価格がウリの名古屋市中区のスーパー「サノヤ」。

 その「サノヤ」でさえも北海道産のタマネギは3玉で323円、新タマネギは4玉1パックで471円。定番野菜、タマネギの価格に異変が起きています。

買い物客:
「想像の3倍くらい高い」

別の買い物客:
「昔は100円だよ。買わない」

 名古屋市中央卸売市場によりますと、タマネギの価格は2021年5月には1キロ80円でしたが、5月10日の時点で226円と3倍近くになっています。

サノヤの担当者:
「主となる北海道産のタマネギの出荷量が、すごく少なかったのが大きな原因です。大きくなるときの天候があまり良くなかった」

 理由は、タマネギの一大産地・北海道の干ばつ。2021年春から夏にかけて不作となりました。

 さらに新型コロナの影響で上海で外出禁止となるなど、ステイホームで中国の需要が増え、輸入が停滞。日本でのタマネギの供給量がとにかく減っているといいます。

 17種類のスパイスとこだわりの野菜を使って、3日間かけて仕上げたカレーが自慢の店「カレークミン」を取材すると…。

カレークミンのマスター:
「この業界に入って結構なりますけれども、こんな高値は初めてです」

 この店でも、玉ねぎの仕入れ値が2021年のおよそ3倍に。

マスター:
「(1日)15キロ前後使います、痛いですね。タマネギだけじゃないじゃないですか、サラダオイルはじめ小麦粉はじめ…」

 小麦や食用油もすでに倍近くまで高騰。タマネギも値上げで「三重苦」ですが、今のところメニューの値上げはしていないといいます。

マスター:
「大変経営的には苦境に立たされています。長引きそうなので、値段を上げざるを得ないのかなと思っています。(高騰が収まるのは)1日でも早い方がいいですね」

 タマネギの高騰について、サノヤでは「全体の供給量が少なく、しばらく高止まりしそう」としています。まだまだ辛抱が必要のようです。