愛知県豊田市の明治用水の取水施設で大規模な漏水が発生した問題では、26日も農業用水の試験供給が行われました。

 田植えを始める農家がいる一方で、対象エリアの一部で水が届いていなかったことも明らかになりました。

 明治用水頭首工の大規模漏水の影響で停止した農業用水。25日から地域や時間を区切りながら水を送る「試験供給」が一部の地域で始まり、26日も対象となった地域には水が届きました。

安城市の農家:
「うれしくてしょうがなかった。水だ水だと思って」

 復旧の見通しが不透明な中、26日、西三河地方の一部では雨も降り、農家にとって束の間の恵みの雨となりました。

 25日に試験供給を受けた豊田市の農家では、田んぼに一定量の水が入り、26日朝、例年より5日ほど遅れて、田植えが進められていました。

豊田市の農家:
「今日やっと田植えができます。今から雨が降って、田んぼが潤うことを願います」

 東海農政局は試験供給で状況を確認し、5月中の全面再開を目指すとしていますが、25日に試験供給が行われた安城市や岡崎市など、6つの市の一部地域のうち、半数にあたる安城市、岡崎市、豊田市の一部で水が出ていなかったことがわかりました。

 水路を流れる水の量が足りず、水圧が足りなかったため、高台にある田んぼなどを中心に水が届かなかったとみられ、供給を受けられた農家からも不安の声が上がりました。

豊田市の農家:
「稲は水が必要ですもんで、水がなくなるというのはとても不安ですね」

 早期の復旧が待たれる「明治用水頭首工」の大規模漏水。現場では26日も、漏水の原因となっている穴の周囲に土のうを積むなど、復旧に向けた作業が始まっていますが、穴そのものの復旧にはかなりの時間がかかるとみられ、先行きが不透明な状況が続いています。