名古屋市は、犬や猫の「殺処分ゼロ」を目指しています。8日、保護した猫の飼育施設が新たに開設されました。

 名古屋市が新たに開設した保護猫の飼育施設。160匹の猫を飼育することができ、1匹ずつケージが用意されています。

 さらに、治療スペースや病気の猫のための酸素室まで完備されています。かなり手厚い施設ですが、この施設が作られたのはある出来事がきっかけでした。

(リポート・2018年6月)
「また住宅から猫を入れたケージが運び出されてきました。一体、何匹飼われていたのでしょうか」

 4年前、名古屋市北区の市営住宅で発覚した猫の「多頭飼育」。飼い主が飼えなくなった子猫を含む44匹を市の動物愛護センターが引き取りましたが、その際、受け入れ態勢の課題が浮き彫りになったといいます。

名古屋市動物愛護センターの所長:
「人慣れしていないような猫を40匹入れるということになりますと、場所も必要になりますし困ってしまいます」

 より多くの保護猫を受け入れるために作られた今回の施設。飼育できる数が2倍以上に増えたほか、新たな飼い主への譲渡に向け、保護猫を人に慣らすためのスペースも用意されました。

 名古屋市では、2021年4月からの1年間で27匹の猫が殺処分されていて、市は新しい施設の導入で2022年度の殺処分ゼロを目指したいとしています。