「新変異株は感染力次第で拡大の可能性」新型コロナ新規感染者数の“AI予測” 専門家「今後下げ止まりも」
新型コロナの新規感染者数は今後はどうなるのか、AI=人工知能による分析で専門家に予測してもらいました。
名古屋工業大学の平田晃正教授は、「人流」や「気候」、「SNS上のキーワード」などのデータをAIで分析し、新型コロナの感染者数を予測しています。
現在、感染者数は落ち着いているようにみえますが…。
平田教授:
「(感染者数は)これまで順調に下がってきたんですが、これから下げ止まりする可能性があります」
平田教授による東京都の新規感染者数のAI予測。現在主流のオミクロン株BA.2系統が続くとした場合のもので、下げ止まりの要因となるのが「梅雨」だと言います。
平田教授:
「換気が梅雨時季になって少々悪くなってくる。こういったことから、徐々に下がりにくくなってくるのではないかと考えています」
また、お盆など夏休み期間中に人の移動が活発になることで、8月中旬以降は増加に転じる可能性があるとしています。
人流の増加以上に平田教授が警鐘を鳴らすのが「新しい変異株」です。
平田教授:
「BA.4、BA.5と言われていますが、新しい変異株が入ってきて、その感染力が強い場合には、かなり拡大する可能性があります」
オミクロン株の「BA.4」「BA.5」系統。南アフリカでは「BA.2」系統からの置き変わりが進んでいて、感染拡大のスピードが早い可能性が指摘されています。
国内では今年4月、「BA.4」系統と「BA.5」系統に感染した人が初めて空港の検疫で確認されました。
平田教授のAI予測では、「BA.2」系統の1.2倍の感染力と仮定して「BA.4」系統が広まった場合、東京では7月に入って再び急激に増加し、月末には1万人を突破。その後も8月上旬まで増え続け、そのまま9月末まで高止まりするとしています。
Q.変異株への置き換わりは、感染者数に大きく影響を及ぼすのか?
平田教授:
「感染力だけではなくて、その毒性もある程度強いと言われています。新しい変異株はどんなものが出てくるか分かりませんので、もうしばらく警戒しておいたほうが、念には念を入れてという感じではないかと思います」