愛知県や岐阜県で先週から相次いで確認されているオミクロン株の新たな系統「BA.5」について、専門家らが今後、流行する可能性を指摘しています。

大村愛知県知事:
「今度はBA5が出まして、先週1件だったのが今回6件」

 愛知県では6月21日からの1週間で新型コロナの感染者54人の検体をゲノム解析したところ、11.1%にあたる6人がオミクロン株の新たな系統「BA.5」に感染していることが確認されました。

 29日午後に会見した大村知事は「これからだんだん増えてくる」として、県民に警戒するよう呼びかけました。

 ウイルスを解析する名古屋市衛生研究所。市内の医療機関から感染者の検体が持ち込まれ、ウイルスの種類を判別しています。

 先週BA.5系統を初めて検出し、これまでに数件確認されています。

名古屋市衛生研究所の部長:
「BA.2の時はどんどん増えて置き変わってきたんですけれども、BA.5が今後同じように入れ替わるのかどうかというのは、注視していかないといけないなと思っています」

 BA.5系統の広がりを専門家も注視しています。

伊東医師:
「BA.4とかBA.5が日本で流行する可能性はあるのではないかと思ってはいます」

 感染症専門医で愛知県がんセンターの伊東直哉医師。伊東医師が懸念するのは、BA.4、BA.5系統に共通する大きな特徴「免疫逃避」。

伊東医師:
「免疫逃避とは、過去の感染で得られた免疫だったりとか、ワクチンによって得られた免疫から逃げる・回避するという意味です。ワクチンを打っていたとしても感染してしまう、感染が拡大してしまうというのは、このBA.4とBA.5ではあり得るかと思います」

 今後、夏休みなどで人の接触が増えるタイミングと重なるため、感染の再拡大も考えられるといいます。

伊東医師:
「感染も増えると思いますし、オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性というところから、今後は感染者数の増加も懸念はされるかなというような状況かと思います」