お得感が売りでも苦渋の決断…『モーニング』に押し寄せる値上げの波「野菜,コーヒー豆,パン全てが高く」
「物価高」への対策は参院選の争点の一つともされています。東海地方が誇るお得なモーニングにも今、値上げの波が押し寄せています。
モーニング発祥の地とされる愛知県一宮市。市内には約700もの喫茶店がひしめきますが、今モーニングに値上げの危機が…。
創業35年の「迎賓館」。店内で挽いた豆で淹れるホットコーヒーを頼むと、岐阜県産の卵を使ったフレンチトーストがつくモーニングが人気のお店です。
常連客:
「1日朝1回は来る、必ず。何食べても美味しい、本当に」
「しゃべるのが楽しみだから」
ドリンク代だけで食事もできるお得感が、モーニング文化が長年愛される理由の一つですが、コーヒー豆をはじめ他の食材費の高騰も重なり、店では“値上げ”という苦渋の決断をしました。
迎賓館のオーナー:
「3月に一度上げました。うちも1杯30円コーヒーを値上げさせていただきました。420円だったものが450円に。(仕入れ値が上がっているのは)野菜からコーヒー豆から小麦粉を使うパンやら全てなんですけどね」
常連客にはお得なコーヒーチケットを販売するなどして理解を求めていますが、これ以上食材費が上がる場合は廃業も考えざるを得ないほど、苦境に立たされています。
愛知県内の喫茶店が加盟する組合によれば、コロナ禍での客離れや食材費の高騰などを理由に、一宮市内では半数ほどの加盟店がモーニングの値上げに踏み切っているといいます。
価格を据え置いている店では…。
モーニングでつくサイコロ食パンが大人気のCROCE&CO.。
CROCE&CO.の運営会社の執行役員:
「大量に仕入れるものに関しては、多めに仕入れて少しでも取引業者さんに価格を抑えいただくしかない」
店の成長を支えたメニュー、モーニングの価格を守りたいと、仕入れ価格を少しでも安く抑える努力を続けています。
執行役員:
「認知していただいたのは、モーニングのおかげだと思っておりますし、少しでも守れるところまできっちりと守っていきたい」