ドラフト候補 誉高校のイヒネ・イツア選手が特大の一発

【第104回全国高校野球選手権愛知大会・2回戦 誉7-6中部大第一】

 今秋ドラフトの注目選手の初陣を見るために、NPB12球団・総勢22人のスカウトが小牧市民球場に集結した。

 彼らのお目当ての誉高校のイヒネ・イツア選手。10日から雨天中止が続き、ようやく迎えた初戦でド派手な一発を放った。

 ナイジェリア人の両親から授かった身長184センチ、体重83キロの恵まれた体格。そして50m走は6.2秒、遠投100mを優に超える強肩と、天性の身体能力が光る大型遊撃手だ。名古屋で生まれ、両親とは日本語でコミュニケーションをとっているそうだ。

 イヒネ選手が野球を始めたのは小学3年生。元々サッカーが好きだったが、後に所属することとなった瑞穂イーグルスの人数が足りないからと、友達に誘われたことがきっかけだった。「チームの雰囲気がとてもよくて、野球がやれて楽しかった」と当時を振り返る。

 この日は、強豪・中部大第一高校を相手にシーソーゲーム。8回表に4-4の同点に追いつかれたその直後、1死1・3塁のチャンスでイヒネ選手が左打席へ。1ボールから2球目のインコースを捉え、高校通算18号。特大の3ランをライトスタンドへ叩き込んだ。

「打った時にいくかなとは思っていた。チームの勝利に直結してよかったです。こんなにハラハラした試合はなくて、負けたら終わりの試合。いいチームといい緊張感で試合が出来て、今までで一番楽しい試合だった」と笑顔を見せた。

 矢幡真也監督はイヒネ選手について「ここっていうところで打つというのが彼の力、持っているものだと思います。これからも勝負強いバッティングを期待したい」と話した。

 今では、プロから注目される選手へと成長したイヒネ選手。次戦はAブロックのシード校・西尾東高校と対戦する。「油断できる相手はいない。次も絶対勝つつもりでいきたい」と、負けたら終わりの一発勝負に全力で挑む。