7月に入り、新型コロナウイルスの感染者は急激に増えていますが、三重県では13日に過去最多となり、3日連続で1000人を超えています。感染者の把握を一手に引き受ける保健所を取材しました。

 三重県津市の「津保健所」。県内の医療機関から送られてきた感染者の情報は専用の端末などに集約され、このデータをもとに保健所は感染者と連絡を取り合います。

三重県感染症対策課の課長:
「6月の下旬から保健所の業務というのもかなり多忙になってきていますので。当然ながら新規感染者が増えてくると、連絡をするというところが件数もかなり増えてくる」

 13日に過去最多となった三重県の感染者数は3日連続で1000人を超え、津市の14日の感染者数は143人と、今週に入って急増しています。保健所で扱う情報量も一気に増加しました。

 これに対応するため、県は経過観察の対象を重症化リスクの高い感染者に限定するなど、14日から業務の一部を見直すなどして、手に負えない事態に陥らないよう対策しています。

三重県感染症対策課の課長:
「6波の際までに、新型コロナウイルス感染症対策というのはこれまで積み上げてきていますし、その都度振り返りながら検証して。やはり感染が急ということもありますので、そのあたりの対応とかも迅速にやっていかないといけない」

 必要な対策は、ほかにも…。

 三重県の病床使用率は7月12日から4日連続で30%を超えていて、15日は35.2%と40%に迫りつつあります。

 三重県ではこのまま病床使用率が40%を超えると、病床数を457床から548床まで引き上げることになっていて、増床は医療現場の負担を増やすことに繋がります。

三重県感染症対策課の課長:
「今回の急速な感染拡大ということはございますけれども、必要な病床を確保しながら入院が必要な方については確実に入院していただけるように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております」

 感染者数の急増の影響は、軽症や無症状の患者を受け入れる宿泊療養施設にも。名古屋市中村区のホテル「東横INN名古屋名駅南」。愛知県に9つある施設のひとつです。

 愛知県では感染者数が6000人を超える状況の中、宿泊療養施設の入所者も連日過去最多を更新しています。

名古屋市新型コロナ感染症対策部の担当者:
「(1日に)50人とか60人とか。朝から午後までずっと入所が続く」

 施設には、14日の時点で受け入れ可能な人数の5割以上にあたる307人が入所していて、複数の看護師が交代で24時間、患者のケアにあたっています。

 施設の一室には、インスタント食品など入所者の生活に必要な物資が保管されていますが、こちらも入所者が増えれば対応を迫られることになります。

名古屋市新型コロナ感染症対策部の担当者:
「思っている以上に急に(感染者が)増えるペースもあるんですが。一定の数、入所がずっと続くのかな、そこが大変になるのかなと。今の今はなんとか(食料など)調達できるような形でしていると思うんですが」

 急増する感染者。愛知県は今後現在9か所ある宿泊療養施設をさらに増やして、感染者の急増に対応することにしています。