国会議員に支給される『JR無料パス』を、引退後も不正に使った罪に問われた岐阜の元参院議員、山下八洲夫被告は2日の初公判で「深く反省している」と謝罪しました。

 黒のスーツ姿で被告人席に立った1人の男…。岐阜県の元参議院議員・山下八洲夫被告(79)です。

 山下被告は2022年4月末、現職の国会議員になりすまし、JR東京駅で東海道新幹線のグリーン席のチケット2枚をだまし取った詐欺などの罪に問われています。

 国会議員時代に支給され、期限が切れた鉄道乗車証=通称「JR無料パス」を窓口で見せたうえ、申込書には現職の国会議員の名前を勝手に記入して、チケットを発券していたとされます。

 逮捕後の調べでは…。

<山下被告>
「昔を思い出して楽なグリーン車に無料で乗りたかった。これまでの経験からばれないと思った」

 国会議員時代の経験が忘れられず、不正乗車を繰り返したと供述していました。

 そして、迎えた2日の初公判。裁判官から起訴内容について問われると…。

<山下被告>
「間違いありません。深く反省し、心からお詫び申し上げます」

 何度も頭を下げ、ハッキリとした口調で反省の言葉を述べました。法廷で検察は余罪について追起訴する予定があることを明らかにし、冒頭陳述は行いませんでした。

 裁判の後、カメラに向けて頭を下げて無言で車に乗り込んだ山下被告。次回の裁判は10月24日に開かれます。