1冊1万円で1万3000円分の買い物ができる名古屋市のプレミアム商品券について、市民ではない女性が架空の名義を使って285冊も買うなど、不正購入の事例が複数あったことがわかりました。

河村名古屋市長:
「大変残念だと思っております」

 河村市長が「大変残念だ」と述べたのは、肝入りで実施したプレミアム商品券事業について。

赤松市議:
「市民の皆さんからの声をもとに調査をいたしましたところ、本事業において商品券の不正購入の事実があったことが判明をいたしました」

 名古屋民主の赤松哲次市議の質疑で、プレミアム商品券の不正購入が明らかになりました。

 1万円で1万3000円分の買い物ができる、名古屋市のプレミアム商品券。電子版と紙版があり、申し込みが多かった紙版は抽選になりました。

 購入できるのは市民だけで、1人最大5冊までが条件でしたが、同一住所の当選件数上位10件の一覧を見ると、Aのケースでは同じ住所で32人が当選し、合わせて160冊購入したことになっています。

 他にも不自然なケースが並んでいて、調査をすると驚くべき事実がわかりました。

赤松市議:
「A・Bの2件については非常に悪質で、この2つは同一人物にて行われており、実際の申込者は1人でありました。当人自身がそもそも申し込み対象外の市外在住である上に、57人分285冊の商品券を受け取っていたことが判明しております」

 名古屋市に住んでいない女性が、はがきで名古屋市在住の知人の住所と複数の架空名義を使って応募し、不正購入をしていたといいます。

 これまでに架空名義を使った不正購入が確認されたのは4つのケースで、不正に購入した3人から、3000円のプレミアム合わせて355冊分、106万5000円の返金を受けました。

 抽選に漏れた市民も多かったプレミアム商品券で明らかになった不正。

街の人:
「なんかムカつきますね。(名古屋市民)限定なら、その分しっかり決まりを作るとかしてほしい」

「私たちの税金とかから出てるじゃないですか。私たちがせっかくがんばって納めているのに、そういうことされちゃうとちょっと切ないですね」

「制度が悪いんじゃないですか?悪用されるということは」

 河村市長は2023年度以降の実施に向け、防止策を検討するとしています。