日本銀行の黒田総裁が名古屋で講演し、先週1日で7円以上円高が進む要因となったアメリカのインフレ鈍化について、慎重な見方を示しました。

 日銀の黒田総裁は14日名古屋で講演し、新型コロナの感染抑制と経済の両立が進み、家計・企業とも持ち直しているとの見方を示しました。

黒田総裁:
「米国の消費者物価指数はこのところ幾分上昇率が鈍化しつつも、なお前年比8%程度となっており、エネルギーや食料品にとどまらない広範な品目の価格が上昇しています」

 為替をめぐっては、11月10日に発表されたアメリカの消費者物価指数が市場の予想を下回り、インフレが収まりつつあるとの見方が広がったことで、1日で7円以上も急激に円高が進みました。

 黒田総裁は、欧米で景気が想定以上に後退するリスクとともに、インフレが高止まりするリスクも意識されていると述べ、先行きについて慎重な見方を示しました。