新型コロナ「第8波」の拡大や新たな変異ウイルスも懸念される中、間もなく年末を迎えます。街で取材すると、忘年会にも変化がありそうです。

 名古屋市守山区にある名古屋市衛生研究所。市内の医療機関から持ち込まれた感染者の検体から、ウイルスを解析しています。

名古屋市衛生研究所の微生物部長:
「検体数の増え方とかからして、患者さんがある程度増えてきているという印象があります。次の波が来るだろうなと思っています」

 検体数から、第8波の到来を肌で感じているといいます。

 オミクロン株の変異株・BQ.1.1、通称「ケルベロス」が、全国で次々と確認されていて、愛知県でも14日に確認されました。変異株ではXBB、通称「グリフォン」も全国で確認の事例が増えてきています。

名古屋市衛生研究所の微生物部長:
「専門家によって多少言い方が違うんですが、感染力自体は(従来と)同等、もしくはそれより少し強いんじゃないかと言われています。(Q.ワクチンの効果は?)XBBもBQ.1.1もオミクロンの派生の株でありますし、現在の主流はBA.5、今流行している株に対してはある程度有効ですから、少なくとも重症化する人を減らすことはできるだろうと」

 年末年始・忘年会シーズンを迎えることについては…。

名古屋市衛生研究所の微生物部長:
「当然、社会生活があるわけですから、そことのバランスの問題になってくると思います。ソーシャルディスタンスをとっていただいて、換気に気を付けていただくことが重要だと思います」

 愛知県の大村知事は…。

大村愛知県知事:
「(忘年会を)全部自粛してくれとまでは申しませんが、県民・事業者の皆さんには第8波が襲来しているご認識をいただいて、引き続き感染防止対策の徹底を」

 実際、どの程度の人が忘年会を予定しているのか、名古屋の街で聞いてみると…。

会社員の男性:
「少人数でやろうかなと考えているんですけど、大々的に会社をあげては検討していないです。早いうちにやれればと考えていますね、今月中にはやっちゃいたいなと思っています」

 小規模で早めにという声も聞かれましたが、最も多かったのは「控える」という声でした。

男子大学生:
「おそらくやらないですね。周りで(感染者が)増えているので」

会社員の男性:
「しないですね。少し寂しい気持ちもありますけど、心配だなという気持ちがあるので。引き続き感染予防をしていこうかなと思っています」

 15日夜の名古屋・栄。火曜日の夜で、取材した飲食店「新九 栄本店」では客の数はまばらでしたが、去年までとは少し違う傾向がみられました。

店のスタッフ:
「会社の飲み会も増えてきているような状況で、11月に入ってから前倒しの忘年会がちょこちょこ増えていまして、今で言うと去年の約3倍くらいの予約状況」

 増えているのは、第8波を意識した11月下旬からの「早めの忘年会」。中には30人規模の予約もあるといいます。店に来ていた人も…。

会社員の男性:
「前倒しで忘年会っていうのはありますね。(コロナへの意識が)少し緩んできた中で増えていくのはしょうがないかなって思います」

会社員の女性:
「年末だとやっぱり(人が)集中するのは嫌だから、早めにみんなで集まろうかみたいな話は、友達とかとは言っています」

 この店の系列店では、12月上旬までの予約に対し、割引券や飲み放題の時間延長などのサービスもスタート。忘年会シーズンに期待を寄せますが、感染拡大への不安はつきまといます。

店のスタッフ:
「(感染者数が)またこれから増えるんじゃないかなという心配はもちろんありますね。大きい宴会はどうしてもなくなってくるところはありますね」