フランス産ワインの新酒「ボジョレ・ヌーボー」が17日、解禁されました。輸送費の高騰などで大幅な値上げもしていますが、そんな中、「国産ワイン」にも熱い視線が注がれています。

 17日に解禁されたボジョレ・ヌーボー。東京のバーではカウントダウンイベントが3年ぶりに開かれ、午前0時に解禁されたばかりのボジョレ・ヌーボーを味わっていました。

 名古屋市中区の「ワインショップ・エノテカ 名古屋栄三越店」でも、多くのボトルが並んでいます。赤やロゼなど7種類が並び、カウンターバーには早くもお客さんが。

女性客:
「今日は夜勤をやっていて、明けで寝ていない状態なんですけど。(ボジョレーは)お祝い事みたいな感じでいつも飲むんですけど、今年はおいしいと思います。お勧めしたい」

 担当者によると、今年は7月から8月にかけフランスでも猛暑に。このため熟度の高い葡萄ができ、従来の軽やかな甘みだけでなく奥行きも感じられ、よりバランスの取れた味わいだということです。

 この地域の輸入元によると、価格は去年よりも1.5倍から1.8倍ほどに上昇。ロシアのウクライナ侵攻の影響で航空輸送費が大幅に上昇したことや、急激な円安の進行などが主な要因だといいます。

エノテカ名古屋栄三越店の店長:
「航空運賃の値上げですとか世界的な物価高、あとフランスの人件費の上昇等。今回に関しては弊社側でも販売価格の見直しをせざるを得なかったんですけども、お気軽にお楽しみいただけるように値上げ幅は極力控えて販売している次第でございます」

 そんな中、注目を集めているのが、国産のワインです。

(リポート)
「平仮名や漢字で銘柄が書かれた日本のワインが、棚いっぱいにたくさん並んでいます」

 名古屋市千種区の「星ヶ丘三越」のワイン売り場では、山梨や長野、北海道などおよそ50種類の国産ワインが。

 近年、若い世代を中心に国内でワイン製造に参入する人が増えたため、品質レベルが向上したといい、この売り場でも国産ワインの品ぞろえを3倍以上に増やしたといいます。

星ヶ丘三越 ワイン・リカーの担当者:
「味わいが繊細で、飲み口が軽やかな特徴があります。日本の食材や味付けにも合う要素がいろいろあります」

 そして今、何よりも魅力的なのは…。

星ヶ丘三越 ワイン・リカーの担当者:
「値上げの幅としては、輸入物と比べると低いように思います。1500~2500円ぐらいまでのものをいろいろ取り揃えております」

 さらに…。

(リポート)
「新酒と書かれた『ルミエール甲州』も、ボジョレ・ヌーボーと同じく11月に解禁されたばかりです」

 11月3日に解禁された、山梨県産ワインの新酒「ルミエール甲州」。シャープな酸味とフレッシュな果実味が特徴です。

星ヶ丘三越 ワイン・リカーの担当者:
「日本ワインの中でも多種多様なものがありますので、興味をもって楽しんでくださる方が世代も幅広く増えていくのかなと期待しております」

 円安や輸送費の影響を受けにくい日本産のワイン。フランス産の新酒・ボジョレ・ヌーボーと並び、今後、秋の風物詩を盛り上げる存在となるもしれません。